男前な丹波さんをいただきました

彼女は最近、入浴剤にハマっているらしい。


「うわ、まーたこんなに」


名前がお気に入りの雑貨屋の紙袋からバサリと取り出した入浴剤の数々に、俺は目を見開いた。


「つい」
「え、コレついって量なの?」


俺がその中のひとつを手に取って言うと(「発汗!ローズマグマ風呂」…ローズマグマ風呂?)、名前はうろうろと目を泳がせた。


「あー…うん、選び出すと止まらなくて…」
「へぇー」


名前が勝ってきた入浴剤には「発汗」やら「美肌」、「痩身」の文字が目立った。


「女の子って大変だなー」
「少しでも綺麗でいたいの」


名前はそう言うと肩を竦めてひとつ選び取った(あ、ローズマグマ風呂)。


「今日はそれ?」
「うん、気になるじゃない」
「あー、確かに」


笑いながら他のを片付ける名前に、俺は同意した(なんたって袋には真っ黒なお湯に浸かった美女が薔薇の花に囲まれてウットリしている写真が使用されている)。


「じゃあ先お風呂入るねー」
「一緒入る?」
「2時間くらい入ってるから」


半端ないスルースキルを発揮された。



「次どうぞー」
「あーい」


2時間程して名前が風呂から出てきたので、俺は見ていた試合の録画を止めた。


「どうだった?」
「すっごいお湯真っ黒。なのに凄くいい匂いするよ」
「ブッハ、マジか楽しみ」


そう言って立ち上がったが、名前の横で俺はぴたりと足を止めた。


「どうかした?」
「すっげぇいい匂いする」
「わ、え、ちょっと、」
「すげー」
「ひゃ、っく、くすぐったいからやめてよ」


名前を抱き寄せて首筋に顔を埋めると、名前は焦ったように俺の肩を叩いた。


「超薔薇じゃん」
「あーもう、いいからお風呂入っちゃってよ」
「なぁなぁ、何でいつも風呂に2時間もかかんの?半身浴でもしてんの?」
「………その通りです」


あれ、当たった。やべぇ俺エスパー!
じゃあもう1個聞いてみよう。


「もし違ったら恥ずかしいんだけどさ」
「うん?」
「最近名前が一生懸命入浴剤とか半身浴にこだわってんのって、俺の為?」
「え、」
「ん?」
「…」
「…」
「…」
「あ…もしかして当たり?」


真っ赤な顔の名前は息を吐いて俺の肩口に額を付けると、小さく「…そうだよ」と呟いた。


「冬だから乾燥とか気になるし…聡だって、お肌カサカサで太い子よりはスベスベで細い子の方がいいでしょ」
「まぁ…でも名前別にカサカサで太い訳じゃないじゃん」
「そ、それでも好きな人の前では少しでも綺麗でいたいの!」


よほど恥ずかしいのか、名前は顔を見せまいと俺にぎゅうぎゅう抱きついた。


「もおぉぉ!そういうのは気付いても知らないフリしててよバカ!KY!」
「KYとか懐かしいな!」
「ああー…なんかすっごい恥ずかしい…」
「何で?俺嬉しいよ。名前が俺の為に一生懸命になってくれんの」


笑いながら言うと、名前は「うるさい」と呟いた。


「俺はお肌スベスベで細くて俺のことが大好きで一生懸命な名前ちゃんが大好きですー!」
「わああああうるさいうるさい!」
「よっし、じゃあ入浴剤の効果確かめようぜ!」
「は?」
「前回と比べてどれだけスベスベになったかをまぁ…ベッドで」
「変態!!」


さっきよりももっと真っ赤な顔で俺の胸を叩く名前に構わず、顔を埋めたままだった首筋に吸い付くと、甘い香りが広がった。






理由は至極簡単で
(恋する乙女は甘いのです)









▽ひなりさんより
遅くなりましたが風鈴さんへ相互記念として捧げます\(^o^)/
ヒイィィ丹さん難しいです…誰だよコイツ!うあん!丹さんは年下の彼女可愛がってて彼女は年の差とか気にして背伸びすればいい!とか思った結果が全然書けてないです←
あと入浴剤にこだわりたいのは私です←←
風鈴さんのみお持ち帰り、苦情、返品受け付けてます><!これからもよろしくお願いいたします!!


▽風鈴
ひなりさんより頂きました!なんだこの丹波さん可愛すぐる!!ちょ、嫁にほしいんですがどうでsy(ry
私はこんな綺麗で可愛い文章なんざ一生書けないんだろうな…ぐすん。
入浴剤、私はバ○が好きだったりします。しゅわしゅわ!!めったに買わないけどww
ひなりさんありがとうございました!!


11.03.14





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