ばかばかばか!!


ーか。最初に言われたのは小学生の時だった。その頃のりょうくんとは家がお隣さんで、親同士が仲が良くて、と必然的に仲が良くなった。その時私が坂でこけて、ふてくされながらも手を差し伸べてくれたのだった。悪態をつきながらも、いつもそばに居てくれた。名前は俺がいなくちゃ駄目だなといつも笑っていた。


ーか!!名前に最初に言われたのは小学4年生のころ。その頃俺たちは思春期と呼ばれる奴で、誰がどいつを好きだとかあいつはお前を好きだとかそんなくだらない話題ばかりが飛んでいた。もちろん名前に関する噂もあった。よく俺の嫁だとかふざけた話題のものもあった。そんな名前が告白すると聞いて驚いた。そして、どうして俺じゃないのだろう、という疑問もあった。よく考えれば嫉妬だったのかもしれない。俺はそんな告白現場を邪魔したのだから非難されるのは当然だった。名前の怒り、泣いた顔は初めてかもしれなかった。


か。小学校の時より少し重くなった教科書で頭を叩かれる。結構痛いんだよ遼くん。わかってるか。あの頃よりも少し成長して、大人になった気分でいる同級生たち。自分たちは何もかわっていないなぁ。中学生にもなって幼馴染と一緒にいるなんて、と友人に冷やかされることもあった。と同時に嫉妬を浴びたこともあったのだ。なにせ遼くんはサッカー部のエースだったから。ETUのユースに所属して皆に注目を浴びていたのだから。よく「告白されるから先に帰っとけ」と自慢げに言われたこともあった。


っかじゃないの。俺の高校とは違う制服を着た名前が顔をしかめっ面にする。元彼女に叩かれた頬が痛かった。名前の視線も少し痛かった。少し前から名前には相談をしていたからか、すぐに事情はわかったようだ。上手く行くと思ったのにな。「そんなんだから続かないのよ、顔だけって言われるの」そう前にも言われたように感じた。「いつになったら私安心できるのよ」不満げに口を尖らせる名前を可愛いと思ったのは秘密にしておこうと思う。


かだなぁ、遼くんは私のことを嘲笑った。なによ、私が恋の話をするのはいけないってことなの?仕方ないじゃない、遼くんの働いているサッカークラブの選手なんだもの。ああ世良さんってなんて素敵なんだろうと棒読みで語っておく。誤解がないように言っておくと、実は私はずっと遼くんが好きだった。小学生の時から変わらないあの態度も。高校に入ったとたんに彼女ができたなんて言われるのが心苦しくて仕方なかった。別れたと聞くたび、安心していた自分を何度叱ったことだろうか。いつになれば気がつくのよ、遼くんの鈍感。遼くんに会うためにリップグロスを新しいものにしたり、マニキュアを変えてみたりしたのにちっとも気付いてくれやしない。どうしてこんな人好きになったんだろう。


かよねぇ、名前は自分のことを嘲笑った。そうだ。そんな恋叶うわけがない。もう既に世良さんには彼女がいるのだ。そして何度も思う、どうして俺じゃない。名前が口に出すのは俺じゃない誰かで。その話を聞くたびに頭が痛くなる。高校時代、たくさんの女性と付き合ってきたが、しっくりあてはまらなかった理由が今になってよくわかる。ずっと元彼女に言われていた「誰かを私に重ねている」それは名前のことだと今はっきり断言できるのだ。それぐらい俺は名前を好きになっていたのだ。でももう遅い。俺を見つめる瞳は俺じゃない誰かを写している。それが心苦しくて、嫌で。




「馬鹿だな、俺も名前も」
「なんで?馬鹿なのは遼くんだけじゃない」
「俺が今、名前が好きだって言ったらどうする?」

「…はい?」
「名前が好きだ」
「………返事、していい?」

「……」
「私も、遼くんが好きです」
「は?」

確かに私たち、馬鹿だね。
「お前世良さんが好きなんじゃ…?」
「…口実だって言って許してくれる?」






それを書いた本人が一番馬鹿なんじゃないでしょうかwwwホントに申し訳ないです。本当に遅くなって申し訳ありません!!記念日から一か月過ぎてるやん!!私のアホ!!しかももう一個の方が遅いし!!…ホント申し訳ないです…よかったら受取ってやってください!!本当に一周年おめでとうございました!!



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