「宏さん」
名前が俺の名前を呼ぶ。
軽く返事すれば笑顔で俺の手を握る。
そんな時間が、俺は好きだ。
宏さんの手を握りながら考える。
最初に宏さんを見たときは、衝撃を感じた。
運命だ、と幼いながらに感じたあの時。
あの人に近づきたい、あの人のためになるようにしたい。
そう思い、私はチームドクターになる事を決めた。
最初は無謀だと親に言われたけれど、私は本当になってみせた。
恋の力は凄いものだと再認識した。
手を強く握り返される。
「何を考えているんだ?」
困ったように、宏さんが笑うから。
「少し昔の事を思い出してただけですよ」
私は宏さんの肩に頭を預けた。
名前の頭を撫でながら考える。
俺は名前のことを、幸せにしてやれてるのかと。
柔らかく微笑む名前は、
俺を好きだと言った。
こんな俺でいいのかと少し、溜息をはいた。
「溜息をはいたら幸せがにげちゃいますよ?」
名前は柔らかく笑う。
「大丈夫です。宏さんは私が好きって知ってますから」
だから私も幸せです。
そう告げた名前は目を閉じた。
やっぱり、名前には、
「適わないな」
「宏さん」
私、宏さんと幸せになりたいです。
「名前」
俺は、名前を幸せにしたい。
二人は静かに笑い、目を閉じた。
彼と私の幸せの行く末それはきっと、ずっと先。
お、遅くなりましたすみません!
陽架様、きちんとリクエストに答えられているでしょうか?
細かいリクエストでしたので楽しく書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!陽架様に捧げさせていただきました。