それ俺のスタンドです | ナノ
「運命の奴隷」


『……運命の、奴隷?』

「そう 時の加速により一巡した世界がある一族とその仲間、そして一人の少年によりブチ壊された。おれ達“運命の奴隷”は、それによりねじ曲がったこの世界を元に戻さねばならない」
『プッ!アーハッハッハッ!頭ブッ飛んでんじゃあないのォアンタ達!しかも承太郎の背格好でそんなオコチャマみたいな!新手のファンタジーかよッ!』


ドスッ
(笑い転げる秋本の横に錨が突き刺さる)
『ッ………』
「……本来ならば“あの旅”で花京院典明、モハメド・アヴドゥル、イギーの三名は死ぬ運命にあった。しかしどういう訳か彼らは全員生きている。私達はそれらを元通りに正すべく、お前達の管理を任されたのだ」
『人の生き死にまで運命に結びつけられちゃあ堪ったもんじゃあない。そもそも管理するもんでもないだろ、あんたらは動物園の飼育員かって……ぐえっ』

「言った筈だぜ、その首のヤツはおれの手でどうとでもなるとッ!」
(ミチミチと音を立てて締まっていく首の肉塊)
『(く………苦しい!だけどまだ納得いかない!)な゛、なら別に私まで殺さなくとも、』
「いいや貴様は殺さねばなるまい。なぜなら秋本越美ッ!
その存在が既に彼らの旅に影響を及ぼしてしまっているからだ!」
『(酸欠だ……!スタンドが出せない!)そ、ん゛な、こと………しら゛ァ、ない』
「最初の世界には貴様という存在はただの「一」欠片も無かった!貴様は正しく世界が巡らなかった世界、その歪みの欠片であるに違いないッ!しらばっくれるなあぁぁぁーーーーッ!!」
『い、ちいち、うる゛ッさいな………ァ゛(意識が薄れる……こんなサイコ野郎に……殺されるなん……て……まっぴら………だ)』
「ここでリタイアだッ!そして残りの歪みを修正さえすればッ!“七人目”はもう現れない!そうすれば全てが元通りになるのだ!」
『(誰だよ七人目……あ、私の中で決定的ななにかが切れそう……さよなら、父さん、母さん…………

    承太郎………!)』


「言ってる意味が全く分からねーが………
  イカレ野郎であることは確かみてーだな」

「何ッ!」
《オオォゥラァァッ!!》ドゴォ
「あぎゅっ(まさか!このタイミングで来るとは!空条承太郎ッ!)」
「越美、死んではいないな?スタンドの調子はどうだ、まさか出ないなんて事はないだろうな」
『げっほ………死に損ないにキツい一言サンキュウ花京院……なんでここにいるんだよ!?』
「スタープラチナが一殴りでやってくれました」
(花京院の指さした先には噛み終わったガムのようにペチャンコなドアの残骸!)
『さっすが皆のスターさん!私の敷金が飛んでいくッ!』
「成る程、不意打ちを食らわなければやられねーわけだ。や〜れやれ、どうもおれの外見で好き勝手やってくれたようだ、が」
「彼女は無事だ承太郎。打撲は……『づっ!』右上腕部、それと手首と首にうっ血した痣があるな」


「花京院典明ィ……!貴様生きているなッ!運命に!逆らっているなッ!」
「てめーに指図されるような運命はここにいる全員、持ち合わせちゃあいねーぜ。消えな」
「全てを元通りに正さねばならない!それが人類の、」
《オオオォゥラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラアァァァッオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラアァァァッッ!!》



─スタンド名“プレイ・V” 再起不能『リタイア』─




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