君と未来を歩む | ナノ




もてもて



「ろはんくん、あそぼ」
隣のクラスの女の子が露伴にはなしかけている。全くめずらしくない。
たしかタイチの好きな子だよなとタイチの方を見たら、すごく……こう………よし、そっとしておこう。
「……」

あいつ女の子ほっておいて何してんだ。露伴はずっと下を向いてクレヨンで絵をかいている。あかいろがスケッチブックにべたべたと貼り付けられていく。
その間もねえねえと露伴にはなしかける女の子。つよいなあの子。
しばらくその様子を見ていたけど、ふと横を見るとタイチがいなくなっていた。

「てめえ、ゆきちゃんむしすんなよ!」
どんっと音がしてそっちを向いたら、タイチは露伴のことを突き飛ばしていた。
露伴はびっくりした顔の後、ものすごい目でタイチをにらみ返す。大丈夫そうだ。

このままだとケンカになりそうだ。今月になってからもう何回目のドンパチだっけ、そろそろおこったあとのようこ先生の息切れがすごいことになってきたから、今日のこれは止めなければいけない。

『なあ、おまえら』バッチィィイィィンッッ『え』
あー、と、え?



「しんっじらんない!男の子ってホントさいてーなのねッ!」

あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!!
”ケンカを止めようとしたらタイチがぶんなぐられていた”

「え、………ゆ、ゆきちゃん?」
「ろはんくんのこといじめるなんてひどいッ!もう一生口聞いてあげない!」
「ゆ、ゆきちゃん!?待ってよ、ゆきちゃァ〜〜〜〜ん!!」


タイチはその場でうずくまって大泣きしていた。

「………なあ、西之谷くん」
『なにさ』
露伴がぼうぜんとそのありさまを見ながら話しかけてくる。


「おんなって、こわいんだな…………」
『そうだ、な……………』


タイチをやっとのことで泣き止ませた先生は、今までよりも老けてみえた。





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