じかたまり
「きみは、僕のことをりふじんな理由できずつけない」
歯を見せてにんまり笑った露伴は、そんなことを口にした。
『……つまりどういうこと?』
「きみは本当にばかなんだな、そんなんじゃ年長さんになれないねッ」
『さっきからばかとかオタンコとかなんなんだよオマエ〜〜〜ッッ!!』
思わずがばりとおき上がると、「僕たちあたまを打ったんだ、しずかにしろ」と言われた。本当にむかつくやつだ。
「いいかい、今まできみたちは僕をいじめてきた。これはさっき言ったね」
なんでこいつはこんなにどストレートに言えるんだ。と思ったがその通りなのでだまる。
「でも、他の子たちが僕をオンナノコだとかヘンな絵かいてるって言ったり、きみにヘンな顔するなって突き飛ばしたりしたのに、きみはそんな事しなかったし言わなかった」
『でもおれおまえ殴ったぞ』
「そこなんだ。その時、きみは僕がたたくまで何もしてこなかったね?しかも殴った理由はいちゃもんをつけられたから、つまりきみが悪くないのになんくせつけられたから。ちがうかい?」
『よく分かんないけどおまえあれが自分のカンシャクだって知って「まあそれはいいんだ」……』
僕が言いたいのはね、ともったいぶった言い方をする露伴。そんなところまでドラマの名探偵みたいだった。
「きみはそこまで悪いやつじゃないって事さ」
ふわりと笑ったその顔に、心臓が大きい音を立てた気がした。
「で、なんで僕をたすけたんだい?」
露伴があのうそつき野郎にジンモン?したことでおれへのごかいは解けた。
先生もうたがってごめんねとあやまってくれたし、露伴のかつやくが知れ渡ってもう「オンナノコ」と言うやつもいなくなった。「ヘンな絵かいてる」はまだ言われているみたいだ。いじめも、けんかとかはまだあるけど一方的なのはもうない。
『なんでって言われても、なあー』
おれは今、露伴の絵のもでるをしている。格好いいポーズをかきたいって言われたから、ムッキムキでマッスルなポーズでもうおひるやすみの半分じっとしている。
なんであの時露伴をたすけたのか。ちらっと思い出すのはあの月の夜のことで。別にお姉さんが居なくなったことにドージョーしているんじゃなく、いやさすがに言いふらしたりとかできないなとか、そういう気持ちはあるんだけど。
『まあ、きみもそこまで悪いやつじゃないって事さ』
にやりと笑ってやると、露伴はびっくりした顔でこちらを見てくる。びっくり対決はおしくもおれの負けだ。
あんなふうにだれかを思って泣ける露伴にはいなくならないで欲しいなと。こんなかんじでもっと一緒に遊びたいと、いろいろ考えて出したおれの答え。
こころのおくのその答えは、大切に取っておくことにした。
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終わりが無理やりざっくりしすぎた気というかプールだけで引っ張りすぎな気もしなくはないですが、主人公と露伴のなれ初め話だし良いよね!はい!出会い編終わりです!!ながい!!
幼稚園編はまだネタがあるので続けますが、これからは二人とその周辺の子たちの日常話っぽいのになったらいいな(願望)
ここまで読んで頂きありがとうございました。まただらだら続けていくつもりなので、良ければまた覗いて貰えると嬉しいです。
それでは!
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