長編のネタバレしかありません。
更新はほぼないので結末だけ知りたい方は反転してどうぞ。



傲慢理想
怪奇事件を追ううちに少しずつ前世の記憶を取り戻していた主人公や黒子達。
それは百年前の復讐だった。
転生前の主人公は生活のために結婚し、夫と子供がいながら薬師の男(転生前の黒子)と恋仲になり、裏家業の仕事をしていた黄瀬(転生前は主人公の兄だった)、青峰、灰崎の手引きによって駆け落ちしてしまう。
妻に裏切られた夫は主人公の愛した地を呪い、関東大震災の日にそれを実行した。
人々は互いを殺し合う地獄絵図。
それを知った主人公は男と共に元夫を止めに向かうが、黄瀬が男を拳銃で撃つと「生まれ変わりがいたら殺してくれ。あの男だろうと自分だろうと殺してくれ」と言い残し二人を逃がす。
しかし二人は男を連れて炎上する屋敷へ向かうと、主人公が寿命を削り呪いを封じたこと、拒めない結婚だったため心から愛せなかったことを謝罪すると、三人は誰も生まれ変わらないことを悟り、そのまま心中した。
怪奇を引き起こしていたのはもう一人の赤司だった。
彼は転生前主人公の夫だったという。
主人公へ復讐しようとするも、転生前も転生後も主人公を縛り付けていたと気付き、精神の奥底へ眠るように沈んでいった。
その後もう一人の赤司に刺された主人公は入院することになる。
そこで知った事実。
赤司征十郎と主人公は異母姉弟だということ。
当日二人目不妊に悩んでいた主人公の母が人工受精を受けていたことを知り、保険のためもう一人子供が欲しかった赤司父は病院に金を握らせ、自分の精子も同時に使わせたというトンデモない事実である。
主人公の両親は出産後に全てを知るが、赤司父に揉み消されるだろうと主人公を夫婦の子として育てることにした。
主人公の大伯母は主人公の祖母であり転生前の主人公と黒子との間にできた娘を拾った張本人。
二人の死を知った転生前の青峰が二人の娘の行く末を案じたため、裕福な家で育てられた方がいいと娘を主人公の大伯母らに託したらしい。
理不尽で傲慢な世界だけれど、彼らは互いに支え合い生きる道を選んだのだった。




ディレンマの先に
幾つかの事件を調べているうちに主人公は新興宗教の秘密を知り誘拐されてしまう。
烏間やイリーナ、殺せんせー、そして理事長に救出されるもとうとう停学処分を食らうが、主人公の怪我を心配した理事長の計らいだった。
やがて主人公は理事長の娘が意識を失ったのは地蔵の並ぶあの場所で撮ってはいけないものを撮ったからだと気付く。
地蔵の隙間から理事長の娘のスマホを見つけた主人公は期末テストの後、理事長と共にサイコメトリーで真実を知ると、悪霊に取り込まれつつあった理事長の娘を叱責し、彼女に生きたい気持ちを取り戻させる。
すると、病院から彼女の意識が戻ったと報せが届き、理事長はついに主人公のことを語った。
主人公は椚ヶ丘の名家の愛人の娘だった。
不義の子を産んだことで主人公の母は精神的に病んでしまい、主人公と心中しようと山を登っていたが、理事長に見つかり、理事長は主人公を殺そうとする母親から主人公を奪うと、錯乱した主人公の母は崖から飛び降り自殺してしまう。
自分が育てても、もし主人公が何らかのきっかけで気付いてしまったら、主人公が気付かなくとも誰かに知られてしまったら。
赤子の主人公をタオルを何重にも敷いたバッグに入れた理事長は幸せそうな家族の姿を目にした。
それは現在の主人公の家族であり、理事長は彼らに主人公を託そうと主人公の兄にわざとぶつかり、バッグを置いて逃げたという。
そのまま主人公は新しい家族に受け入れられるが、時折上手くやっていけているのか心配になった理事長は主人公の様子を物陰から見守っていたらしい。
全てを知った主人公は理事長に「もう時効ですし、今の家族と幸せに暮らしてきたからもういいです」と伝えると、理事長と学秀と共に彼女の入院する病院へ向かうと、目覚めた彼女に謝罪するが、二人は旧知の仲のように打ち解けるのだった。
そしてあの怪文書は学秀が出したものと発覚。
どうやら前原らと同じく主人公が理事長の隠し子だと思ったらしい。
全てが明らかになったため主人公は神奈川へと帰るのだった。
今の家族と今まで通り暮らすために。
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