さっむい。うん、実に寒い。



「なに、名前。うるさいんだけど」

「リョーマくん、寒いよー」


「知らない。名前が勝手に待ってただけじゃん」




そうなのだ。久しぶりに一緒に帰りたくなって、リョーマくんの部活が終わるまで1人、待っていたのだ。


暦の上ではもう冬なので、部活が終わるこの時間は結構寒かったりする。





「リョーマくんはさっきまでテニスしてたからそんなに寒くないかもしれないけどさー」



「だから言ったじゃん。さっさと帰ればって」


「だってさー」

久しぶりなのにリョーマくん冷たい。


「リョーマくん、私は心まで凍えてしまいそうだよ」



いや、こういうツンケンしたところも好きなんですけどね








「やっぱ帰ればよかったかな、寒いし」

ぽつり、私がつぶやく。















「なにそれ、それじゃあ俺がおもしろくないじゃん」



え?リョーマくん?




「それに、俺のために待ってる名前見ながらテニスするの、嫌いじゃないよ」










「さっきと言ってること違うよ、リョーマくん」



「…うるさいな、」





私の右手を取って歩くリョーマくんの歩調が速くなる。







明日の帰りはどうしようかな。




    



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