「ねえ、好きだよ」
「幸村?なにが?」
「君のことが」
「そうだったの?」
「うん、そうだったの」
「…急だね」
「そうかな。君にとっては急だったかもしれないけど、俺にとってはそうでもないよ」
「前から?」
「そう、ずっと前からね」
「へえ…」
「ずっとね、言う機会をうかがってたんだ。2人きりのときとかね」
「でも今は2人きりじゃないよ」
「そうだね、お昼の時間だね」
「みんな教室でご飯食べてる。私は幸村と一緒に」
「そう、俺と君は2人でごはん食べてる」
「周りはいっぱいいるけどね」
「でも誰も俺たちの会話なんて聞いてないよ」
「タイミング計ってたのに今言っちゃったの?」
「うーん、君を見てたら、タイミングなんてどうでもよくなったんだよね。それに、ちょっと我慢できなくなったんだ」
「我慢?」
「うん、君を好きって気持ちを黙っておけなくなったんだよ」
「…すごい好きなんだね」
「そうだよ、君のことがね。で、君の答えは?俺のこと、キライなの?」
「まさか。今すぐ抱きつきたいくらいには幸村のこと好きだよ」