「なあ」 突然、横の席に座る神尾に声をかけられる。 「ん、なに?」 「女子ってさ、ネックレスにサイズってあるの?」 「はい?」 「だーかーらー、女子のネックレスって、大きいとか小さいとかはあるのかって聞いてんだよ」 せかせかするなよ神尾。 「いや、大体無いと思うけど…」 「ふーん、そうだよな、無いよな」 「なに?プレゼント?」 「なんでもねーよ」 じゃあな、って言って神尾は教室をあとにする。 あんなの絶対彼女じゃんね。神尾もかわいいとこあるじゃん。 はあ、健気だねー。かわいい、よね。 心の底からそう思えないのは、相手が知らない誰かだからだろうか。 いや、知らないわけじゃない。よく見るんだよね。笑顔の可愛いあの子といつも仲良く話してるとこ。 あーあ、プレゼントの相手が私だったら、どんなに良かったことだろうか。 「…私になんか、相談するなよ馬鹿」 |