「おかーさーん」

「え、ちょっと待ってえや。お母さんってもしかして俺のことなん名前ちゃん」

「ちゃん付けで呼ぶのキモいー」

「き、きもいてお母さんあなたをそんな風に育てた覚えはありません!!って、お母さんちゃうわ」


お母さん、なんて言われたもんやから関西の血が騒いでついついノリツッコミ。
名前はケラケラ笑っている。
ウケてなによりや。



「で、なんでいきなりお母さん?」

「さっきテニス部の人たちと話してたでしょ?その時の忍足、なんかお母さんみたいだったから」

跡部は意外とボケ要因だし、がっくんとジローは子供だしね、って。
ああ、確かにどちらかといえば俺はツッコミやなあ。






「と、いうわけで…」

「ん?」

「今日は子守りでお疲れであろう侑士くんのお母さんになってあげましょう!」

「は?」

ママって呼んでいいですよーなんて言って背伸びをしながら俺の頭をなでる名前。
そして頭のついていかない俺、忍足侑士。








「俺、おかんよりも、名前が恋人になってくれた方がうれしいねんけど」



ポカンとした頭をひねって絞り出した言葉に、次は名前がポカンとしていた。









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