「なんか疲れてる?」

「……別に」




今日も負けた。親父に。





「はいはい。まあいいからおいでよ、リョーマくん」

「ここ俺の部屋なんだけど」


言いながら自分の座っている横をポンポンと叩いているのは名前さん。


この人はいつも、俺の考えてることなんてお見通しとでも言わんばかり。

だからか時々、負けた気になるんだよね。

俺がなかなか伝えないのもいけないとは思うけど。



これが年上の余裕ってやつ?なんか…




「なんかムカつく」

「ん?なに?」

「別に」



いつものようにボソッとつぶやいて、名前さんの横に座る。







オレ思うんだよね、たまにはさ名前さんの想像を上回るようなことを言ってみたいって。


……素直になることも悪くない、って思ったりもするし。







「…名前さん」

「ん?なんだいリョーマくん」

「好きだよ、ずっと」



名前さんはビックリした表情を見せたあと、うれしそうに笑ってくれた。



俺の勝ちだね。







人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -