(なんや、どういうことや)



「あれ、なんか謙也そわそわしてない?」

「ああアレか。しょうがないねん。そういう病気や」

「そうなん?変な病気やけど謙也やからな」



あれ?おかしい。今日はこの、引いたり押したり謙也くんの誕生日のはずやんなぁ?

遠くの方から白石と名前が俺の悪口言うてるのが聞こえてくる。

あいつら、俺に“おめでとう”も言わんしプレゼントもない。
ほんまに、ほんまに、


「どういうこっちゃねーん!!」



「うっわ、どうしよ白石。謙也と目合ってしもうた!!」

「大丈夫や、まずは落ち着き、深呼吸や」



「ってお前ら!!落ち着いとる場合やない!!今日が俺の誕生日って知ってますよね!?お願い知ってて!!」


「ああ知ってるで。でもまずは落ち着けや謙也」

「そーやそーや。落ち着けや謙也。」



「ちょっとまって、俺は落ち着いている!そして冷静である!そして正解を話している!!」

「なんや正解って」


「え、俺誕生日やんな?」

「「うん」」


「自分ら、俺に何も言うてくれてないよな?」

「「うん」」


「そこや!」


「うるさい」


「…そうか、名前は俺がキライか。そうか」


「あーあ、名前が謙也泣かした」

「えー。白石までー?面倒押しつけるんはやめてや」


「、面倒、て。めんどう、」




「もう、嘘やんか。うちはちゃんと用意してるで」

「ほんまか!?」

「切り替えはっや」

「手ぇ出し。はい、誕生日おめでとう」





って、え?


いやいや、え?




「名前さん、一体これはなんでしょう?」

「星や!!」

「見たら分かるわ!!」

「はぁ?うちが昨日わざわざ百均で買ったカラー紙粘土を使って夜なべして作った星が受け取られへんっていうんか!?」

「これで夜なべかい!そして100円!!って、ああもう嘘!ようできてらっしゃる星ですね!!で、なぜお星様?」

「だって謙也スピードスターやろ。やから星!!昨日まで謙也の誕生日忘れてたとかは嘘や!」



ああ、忘れてたんやな。その結果が星なんやな。


後ろで白石がわろてるわろてる。



「もうええわ。名前に期待した俺が悪かったっちゅー話や」

「お星さん素敵やろ」



「で、白石さん家の蔵ノ介くんからは何もないのでしょうか」


「ああ、俺からはこれや。手ぇ出し。おめでとう」






Oh!デジャヴとはこのことですね!!



「お前も星かーい!」


「お星さん、素敵やろ」




「もうええわ。今日はもうがんばれん気がする」

「部活もか?」


「ああ、部活もや」


「ま、今日は部活ないけどな」


「は?どういうこっちゃ白石。聞いてへんで」











「だってな、部員みんなでお前のバースデーパーティー開くんやからな」

「もちろんうちも参加するで!」











ああ、やっぱり今日がんばれるかも。










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