やっぱり、 「なんかごめんな、名前」 「どうしたの、健太郎」 まあ、名前はそう思うだろうな。 「だってさ、名前はさ、世間一般に、その、地味、とか言われてる俺なんかが彼氏でいいのかって」 「地味?確かに世間一般には地味かもしれないね」 「、うん」 地味に傷つく。 「でもさ、健太郎は派手だよ」 「?」 よく理解しきれない。俺、しっかりしろ。 「テニスしてるときも、千石くんを叱ってるときも、私にかまってくれるときも、いつも健太郎は派手だよ」 いや、そういうときが地味なんだよな、俺って。 「だってね、私は健太郎しか見えてないんだよ?それって、健太郎が派手で、目立ってるからでしょ?」 …じゃあ、いいか。 すまんな、東方。 俺のほうが派手みたいだ。名前限定だけど。 |