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◆◇◆
―今日は7月の最後の授業。
明日から夏休みが始まる。
夏休み、此処の生徒は帰郷する奴もいれば、此処に残る奴もいる。
俺は帰郷するのがダルいから居残り組。
だって、実家むちゃくちゃ遠いんだ。
帰るまでが面倒だっつーの。
…夏休みは何して過ごそうかな。
外泊許可を取って、山田と近くにでも遊びに行こうか。
無論、山田も俺と同じ理由で居残り組。
…敦士は夏休みどうするのだろうか。
結局、7月も学校には一度も来なかった。
敦士、君に会いたい。
会いたい。
会って話したい事がたくさんある。
色んな事があったんだ。
敦士の事ばかり考え過ぎて病気になりかけた自分も、今なら笑い話に出来る。
生徒会も敦士のいない穴を埋めようと頑張っているよ。
何たって、あの御手洗が敦士の代理で真面目に仕事をしているんだからね。
あと、山田がね、ついにアンチを敵に回した!
アイツ、生粋の馬鹿だからアンチの一人に『君は化粧の映える顔だね』なんて言ったんだ。
馬鹿だろ?喧嘩売ってるとしか思えない。
…敦士、また俺の隣であの柔らかい花のような笑顔で。
俺の話を聞いてくれ。
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