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気づいた時には獅子崎の片胸を鷲掴みにしていた。


「えっ…」


意外に弾力があるな、と思ったら不良の困惑とした眼と目があった。


「なっ…」

「あ…」


俺の目は再び獅子崎のデカパイに釘付けで。

その時、何故か俺にちょっと悪戯心が湧いてきて、更に好奇心に煽られ、獅子崎のデカパイを揉んでいた。


「や、あっ、ぁっ、」


獅子崎が両手を口元に持っていき、羞恥に悶え出した。顔は真っ赤に染まり、目にはうっすら涙を溜めていた。


「あはっ、そんなデカいパイオツしてっから悪いんだよっ…ぁ、あれ…?」


鼻から生暖かい液体が流れている事に気づき、空いている手で拭うと、手に血がべっとりと付着していた。


それに吃驚して、獅子崎のおそらく乳首を強めに引っ掻いてしまった。


「ぃあっ…!」

「あ、…ご、ごめっ」


獅子崎は両腕で自分の胸を隠すようにして机にうずくまった。


「うぅ〜っ…」

「悪かったって、な、泣くなよ」


獅子崎の顔を上げさせ、泣いていないか確かめる。辛うじて涙は流していないが、目が赤くなっていた。いつ泣き出してもおかしくない。

どうでもいいが、俺の鼻血が止まる気配を見せない。興奮して鼻血だすとか…ふん、童貞なめんなよ。


獅子崎が涙目で俺の鼻に指を持って行く。そのまま俺の鼻血を拭ってくれた。


「…っ」

「あ、…これ、チョコレート食い過ぎただけだからっ」


羞恥で、説明を求められてもいないのに嘘の説明しだす俺。何て格好悪いんだ。

兎に角、話題を鼻血から変えなければ。


「…そ、そんな事より!お前の弁当美味そうだな。唐揚げ頂きっ」

「あっ!」


何とか無理矢理話題を変えて、獅子崎を和ませようと、獅子崎の大きな弁当箱に目をつけて煌々と存在を主張していた大ぶりの唐揚げを摘んだ。

事実、獅子崎の弁当はめちゃくちゃ美味そうだったのだ。

ひょいっと、指で唐揚げをつまみ上げて口に頬張れば、カリッとした衣が弾け、中から肉汁が溢れ出した。


「何コレ、めちゃくちゃうめーじゃん。」


素直な感想が喉から漏れた。少し血の味がしたけど。


獅子崎は俺を凝視していて、暫くすると目からポロポロと涙をこぼし始めた。


「えっ!?何で!何で泣くんだよっ!」


さっき胸触られた時は泣かなかったのに、唐揚げ食べられただけで何故。そんなに俺に唐揚げを食べられた事が悔しいのかよ。食べ物の怨みは怖いってか?








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