宿題


今日も今日とて凛は自室となったボーダーの個室でゆっくりと過ごしていた。
太刀川との仮想空間での打ち合いは楽しかったものの、生身ではなかったため、本来の体は鈍ったままである。流石にこれだけのんびりとしていると調子も狂ってくるので軽めのストレッチを始めてみれば思いのほかそれは楽しかった。柔軟体操は好きである。いい時間潰しが出来たなと機嫌を良くしているとポンッという音が部屋に響く。時計に目をやると時刻は十時過ぎであり、太刀川にしては早いなと首を傾げればポンポンポンッと連続でそれは鳴り続ける。なんだなんだと思いながらも、声色には出さずはーいと言ってロックを解除すれば現れたのはやはり太刀川であった。

「慶ちゃん。うるさいんだけど~」
「ちょ!匿ってくれ!はやく!」

何やら慌てた様子の太刀川をとりあえず部屋に入れると、太刀川は助かった~と打って変わって安堵したような表情を浮かべて部屋へと座り込む。
変なの、と思いながらも太刀川が買い置きをしておいた水を冷蔵庫から取り出して渡すと、太刀川は礼を言ってそれを受け取り口をつけ、一気に半分まで飲み干した。

「は~、なんとかなかった…か…?」
「何かあったの?襲撃とか?」
「は?そんなんじゃねーよ。襲撃されてたらむしろ出向くって」

その言葉に凛は確かにと笑う。敵が攻め入って来たとしても太刀川は先程のように慌てないだろう。むしろ嬉々として敵に向かっていく姿は容易に想像出来た。そして笑いながらこの男は敵を斬り伏せてしまうのだろう。そう思わせる実力を確かに誇っているのだから。

「じゃあどうしたの?慶ちゃんがあんなに慌てるの…あ、見たことあるかも」

太刀川に尋ねながら凛は遠い日の記憶を思い出す。太刀川慶という男は少年の頃からどこか達観をしており、あまり取り乱すことはなかった。それこそ剣道の稽古中に取り乱す姿は一度も見たことがなく、いつも飄々と、時に至極真面目に稽古に取り組んでいたのだ。
そんな太刀川が今のように慌てる姿を凛は何度か目撃したことがあった。主に、夏休み最終日に。

「え。まさか宿題?」
「……凛ちゃん。今なんて?」
「うわっ。図星?ほんとに?」

凛の言葉に太刀川は頭を抱えてあああ…と唸り出す。どうやら凛の考えは当たったらしい。
太刀川は今、大学に通っていると聞いている。小学生の頃に誘拐されて以降そういった環境には縁がなかった凛は大学でも宿題が出るのか~と新しい知識を得た気分だった。どうやらこの様子では小学生の時と同じく宿題は終わっていないのだろう。

「いつまでにやらなきゃいけないの?」
「…………明日」
「あはは!ほんとに夏休みの宿題みたい」
「笑い事じゃねーんだよおぉ」

ごめんごめん、と言うものの小学生の頃から何も変わらず宿題に頭を抱えている太刀川の姿は申し訳ないが面白い。しかし、明日までに終わらせなければならない宿題があるのならこんなところで油を売っている場合ではないだろう。
それに、太刀川はこの部屋に訪れた時よく分からないことを言っていた。匿ってくれと。まるで誰かから逃げてきたような言葉を吐いていたのだ。

「慶ちゃん、匿ってって誰から」

と。凛が尋ねたところでまたしてもポンッという音が部屋に響く。凛に来訪が来るのは別に珍しいことではない。この部屋に訪ねて来るのが一番多いのは太刀川であるが、鬼怒田やエンジニアの面々だったり、研究員の人が訪ねてくることもあるのだから。
ちょっと待っててね。と太刀川に言い残してドアの近くまで移動し、いつものようにはーい。と言えば珍しくも聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「凛。忍田だ。慶はここにいるか?」
「忍田さん。珍しいですね」

忍田がこの部屋に訪れたのは初めの頃に数回のみであったため、珍しい人が来訪して来たものだと思いロックを解除する。まてまてまて!と後ろから聞こえて来た時には既に遅く、太刀川の必死の叫びも虚しくドアが開かれる。声の主である忍田は凛の姿を見て優しげに笑う。初めて見た時から思っていたけれど、忍田は良い男だと思う。さぞかしモテるのだろう。
そしてその視線を部屋の奥へと向け──

「慶!!」

間違いなく怒りを含んだ声で太刀川を怒鳴りつけるのだった。





カタ…カタ……カタ…と、悲壮な表情を浮かべながらパソコンに向かっている太刀川の姿に可哀想という気持ちよりも面白いという気持ちが勝ってしまい、凛が肩を震わせていると太刀川に覚えてろよ~と恨みがましく言われてしまう。そんな太刀川を慶…と低い声で名を呼ぶ人物に太刀川は頭が上がらないらしく、またしてもパソコンへと視線を戻す。

凛の部屋に訪れた忍田は太刀川を見つけるや否や、ずかずかと部屋の中に入り込んで太刀川に一発拳骨をお見舞いした。換装が間に合った太刀川の頭からトリオンが漏れているのを見て凛は驚き、太刀川は子供のように謝罪を繰り返していた。忍田は本気で怒っているようだ。そして太刀川が匿ってくれと逃げてきた相手は忍田だったということもすぐに察した。
忍田が太刀川に怒り、連れ戻しに来たのは宿題を…大学ではレポート提出と言うらしい。その提出するためのレポートを今日中に完成させるためだという。提出をしないとかなりまずいらしく、忍田は自分の部屋で見張りながら完成させると言って太刀川を引き摺り、太刀川は凛に助けを求めたため、凛は面白そうなんで私もご一緒したいです!と言えば少し驚かれた後、忍田に了承を得て今に至る。

「わぁー、こんな難しそうな授業慶ちゃんが受けてるなんてびっくり」
「俺だって受けたくねーよぉ…」
「がんばれ~!慶ちゃんならできるよぉ~!」
「うっわ。心のこもってない応援…」

太刀川と凛は二つの歳の差があるため、小学生の頃も太刀川の夏休みの宿題を手伝うことは出来なかった。そのため今のように適当に応援すればくっそ~と言いながらも宿題と戦っていたのを思い出す。結局あの頃はもうやーめた。と言って宿題を放棄していたが大学とやらはそうはいかないらしい。
曰く単位というものがそれぞれの授業に存在していて、出席日数だったり提出物だったりを怠るとその単位が貰えないと。そして最終的に単位が足りないと留年したり卒業出来なかったりする仕組みだという。
学校というものに縁がなくなってしまった凛はへぇ~と忍田からの説明に感心するように頷けば忍田は少し困ったように凛に尋ねてくる。

「凛も学校に行きたいか?」

その言葉に、忍田に気を使わせてしまったなと凛は首を横に振った。あんな殺伐とした中で生きてきたのだ。今更学校になんて馴染める気がしなかったし、興味もなかった。
しかしこの国で生きていくためには学校に通っていないということは後々響いてくる可能性がある。その際はやはり近界で生きていくほうが楽かもしれないな、と凛は自分の中で結論付けて口に出すことはなかった。

「そっか。おまえまだ高校くらいの歳だもんな。月見の制服とか似合いそう」
「月見?」
「慶、随分余裕だな。喋ってる暇があるのか?」

忍田の言葉に太刀川はひー、と言って少し涙目になりながらもカタカタ、とゆっくりとキーボードを打つ。エンジニアや研究員の人に比べるとかなり遅い手付きだけれど、あれが太刀川の精一杯なのだろう。戦闘時ではあんなにも頼もしく剣を振るう太刀川の姿からは想像出来ない悲壮感に凛はやはり頬を緩めてしまう。この男にもちゃんと弱点があり、それは随分可愛いものであった。

結局太刀川がレポートを完成させたのは十八時過ぎで、その間は忍田もパソコンと睨めっこをしながら仕事をしていたため、凛はそんな二人の様子を見たり、時には忍田に渡された金で飲み物や食べ物を買ってきたりとサポートに回っていた。完成させたレポートを諏訪、という人に確認してもらうと言って太刀川は部屋を後にする。凛も太刀川について行くか迷ったが、確認時に何の関係もない凛が側にいても邪魔にしかならないと思ったため忍田の部屋で太刀川を待つことにしたが、忍田の邪魔にもなっていないか心配になる。彼はずっと仕事をしているのだから、変な心労はかけたくなかったため大人しくしていようと思っていた矢先、忍田のほうから凛に声をかけてきた。

「凛は慶とは幼馴染みだったな」
「え?あ、そうなんです。忍田さんは慶ちゃんの師匠なんですよね」

ああ。と忍田は凛の問いに即答する。
忍田真史。太刀川慶の師であり、あれほどの強さを誇る太刀川よりも実力は上だという。太刀川は忍田の話をする時、すげー強いぜ。とか本気で戦ってくれねーかな。とか。とにかく忍田のことを称賛していた。強さはもちろん、初めて対面した時も。そして、今日までで忍田の人柄も優れていることがよく分かる。
こんなにも真っ直ぐな人はなかなかいないだろう。太刀川が絶対の信頼を寄せているのにも頷ける。

「慶ちゃん、私の知ってる頃の慶ちゃんと何も変わってなくて驚きました。でも、剣の腕は信じられないくらい上がってて。忍田さんの教えが良かったんですね」
「確かに慶の稽古には全力を注いだが、慶は私と出会った時からかなりの腕前だった。最初についた師匠は亡くなったと聞いているが、良い師だったのだろう」

そのお方に感謝しなければな、と忍田は頬を緩める。
太刀川の性格を考えれば最初の師の詳細を忍田に語っていないことは彼らしいとしか言いようがなかった。そして、凛と再会した後もそのことを忍田に話していないらしい。故意に、というよりも単に聞かれていないから話さないだけだろう。
何も知らない忍田が祖父のことを良い師だと言ってくれたことが嬉しく、そして照れ臭かった。嬉しそうにする凛を不思議そうに忍田は眺め、穏やかな口調で話を続ける。

「慶と仲良くやっているようで安心したよ。あいつも最近楽しそうだからな」
「そうなんですか?」
「ああ。慶はあまり機嫌を表に出すほうではないが、私には分かる。最近の慶は生き生きしている。きっと、君が戻ってきてくれたのが嬉しかったんだろうな」

忍田の言葉に太刀川の嬉しそうな表情が浮かぶ。
思えば、太刀川は確かに凛に対して帰ってきてくれて嬉しいと何度も伝えてくれていた。凛が拒んでも、恨み言を言っても、太刀川はそんなこと気にせずに凛を連れ帰り、そしてあの頃と変わらない笑顔で再会出来たことを純粋に喜んでくれた。

レヴォンで太刀川と奇跡的に再会した時、凛は絶望した。両親の次に会いたくなかったのが太刀川であったからだ。凛にとって両親と祖父と、そして太刀川は大切な存在だったのだ。そんな存在に今の自分を見られたくなかったから。
だというのに、太刀川は凛が近界で何をしてきたか、どんな扱いを受けてきたかを聞いても何も変わらなかった。それが、凛は。

「私……私も、嬉しかったです」

凛だって本当は太刀川に再会出来て嬉しかった。それが偽らざる本音である。
一生近界で生きていくのだと凛は諦めていた。帰りたくとも、助けを求めても無駄であり、そんな幻想を抱くくらいなら現実を受け入れて全てを諦めたほうが楽だったのだ。楽だったけれど、望んだ未来ではなかった。凛の生き方は恨みを買い、あのまま活動をしていればいずれ殺されていたのは想像に易い。凛が選んだのは先の無い未来であり、その未来から無理矢理連れ帰ったのは太刀川だった。嫌だった。それ以上に、本当は嬉しかった。自分を見つけ喜んでくれた太刀川の表情は今でも忘れられない。

凛の溢した本音に忍田は面食らったような表情を浮かべた後、本当に嬉しそうに微笑んだ。その表情を向けられるのは居心地が悪く、凛は忍田から顔を逸らしてうっかり漏らしてしまった本音を太刀川に漏らされないよう釘を刺す。

「け、慶ちゃんには内緒にしてください」
「…ははっ、凛はそんな顔も出来るんだな」

忍田の言葉に凛は頬を染めて背を向けてしまう。そんな凛の姿に忍田は心から安堵した。
近界で初めて発見された行方不明者は何の因果か太刀川慶の幼馴染みであり、その報告に忍田は歓喜した。しかし、初めて凛の姿を目にした時、どうしてもっと早く助けることが出来なかったのかと悔いたのだ。
斎藤凛の最初の印象は退廃的で、大人びていて、危なげないというあまり良いものではなかった。忍田を含めた上層部の大人達を前にしても怯むこともなく、飄々と話す姿は痛ましかった。そう在らなければ近界では生き延びることが出来なかったのだろう。

──居場所?あはは。なにそれ、初めて聞いた

忍田の失言を嘲笑った凛は年齢には見合わない凄みを感じさせた。お前に何が分かると。凛は確かに忍田に失望し、嘲笑したのだ。しかしそれもほんの一瞬であり、凛はすぐに調子を戻した。その切り替えの速さも、哀しかった。
この子はもっと、歳相応に怒ってもいいはずだ。それこそ泣いてもいいし、勿論笑ってもほしい。どこか仮面のように張り付いた笑顔を浮かべる凛を忍田はもちろん、鬼怒田や城戸も心配していた。

凛はボーダーで過ごすうちに、いや。太刀川と過ごすうちに彼の雰囲気に絆されたのか。それとも本来はそういう性格であったのか人間らしい表情を浮かべるようになっていた。遠目に見ていても、凛は太刀川といる時は楽しそうにしていて微笑ましかったが、それは太刀川にのみ適応されていて忍田や他の者に対しては警戒心を解いていないのか張り付いた笑顔を浮かべることが多かった。
そんな凛が本音を漏らし、頬を染めて歳相応に恥ずかしがっている姿を忍田に晒してくれたのだ。嬉しくないはずがない。

「凛。私達は君の味方だ」
「え、どうしたんですか突然」
「いや。口に出していなかっただけで、ずっとそうだったんだ。何かあれば遠慮せずに頼ってくれ。凛が望まないことはしない。だから、どうか幸せになってほしい」

忍田の思いがけない言葉にどう返せば良いか迷っていたその時、ドアが開きはっはっはっ、と笑いながら帰ってきたのは先程とは打って変わって満面の笑みを浮かべた太刀川だった。

「いや~終わった終わった!諏訪さんに見直しもしてもらって無事終わりましたよ忍田さん」
「そうか…今回ばかりはどうなることかと思ったぞ。大体、レポート提出期間はかなり長かったと聞いている。だというのに期間ギリギリまで手をつけないのは一体、」
「お、もうこんな時間か。凛、部屋に戻ろーぜ。忍田さん、今度ランク戦してください。じゃ!」
「えっ」

太刀川に手を引かれあっという間に部屋の出口まで連れて行かれる。どうやら太刀川はこのままだと忍田の説教が始まると踏んで逃走する選択をしたらしい。部屋を出る直前、忍田の表情を見れば忍田は呆れたように眉を顰めていたが口元には笑みを浮かべていた。忍田と太刀川はなんだかんだ良い師弟関係を築けているのがよく分かる。
凛は忍田のことを緩い環境でぬくぬくと育ってきた男だと認識していた。近界に居場所が出来たのかと、本気でそんなことを尋ねているのならどれだけおめでたい奴なのかと呆れたのだ。近界にもそういう場所はあるかもしれないが、生憎凛が生きてきたのは掃き溜めのような場所であったのだから。
しかし、忍田のことを太刀川から聞き、そして対面してみればなんてことない。彼は驚くほど真っ直ぐで優しい人なだけであった。凛に対して放った失言も本気でそうだったら良いのにと希望を持って発言したものであったのだろう。
忍田も鬼怒田も、凛を気にかけている人達は損得なしに優しい。だというのに、いつまでも素直に応じれない自分に嫌気が刺していた。

「忍田さん」

ドアが閉まるか閉まらないかの瞬間、凛はなんの損得勘定もなしに言葉を伝える。

「ありがとう」

凛の言葉に忍田がどんな顔をしたのかはドアが閉まってしまったため分からなかった。それでもいい。凛はただ、伝えたかったのだ。こんな自分を気にかけてくれてありがとうと。
そんな凛の様子に太刀川の足が止まる。

「戻るか?」

半ば強引に忍田の部屋から連れ出したことを気にしたのか、太刀川は凛の手を離してそう尋ねてくる。凛は首を横に振って私の部屋に戻るよ。と伝えると太刀川はそっか。と言ってそれ以上は何も聞かずに凛の隣を歩いた。
レポートが終わった太刀川は大変ご機嫌である。凛が聞かなくともレポートがどれだけ大変だったか。忍田が本気で怒ると怖い。諏訪という人に大分手直しをしてもらった。など、声を弾ませながら話してくれるので凛もそれを楽しく聞き、そしてあることを思い出した。

「そういえば、月見の制服ってなに?」
「ん?なんだそれ」
「慶ちゃんが言ったんだよ。月見の制服が似合いそうって」
「あー、言ったなそういえば」

レポートに意識が持っていかれたせいで太刀川は今日凛と話したことをあまり覚えていないのかもしれない。が、どうやら思い出したようで太刀川は凛の質問に答える。

「月見っていう一つ下の幼馴染みがいるんだけど、そいつの着てる高校の制服が似合いそうだな~って思ったんだよ」
「幼馴染み」
「そ。着たいなら貸してもらえるか聞くか?」

太刀川には自分以外に幼馴染みがいたらしい。そんなこと全く知らなかったが、それは凛が聞かなかったからだろう。太刀川は聞けば答えるし、聞かなければ答えない。そういう男だ。
凛にとっての幼馴染みは太刀川だけであったが、太刀川にとっての幼馴染みは凛と月見、という人らしい。

「月見って、女の子?」
「そうだけど」
「ふーん…」

凛とは違って、太刀川と離れていた九年間も月見という人は太刀川の側にいれたのだろう。だったらその人とのほうが付き合いは長い、ということになる。
何だかそれが面白くなくて、無意識に口をへの字にしていると太刀川がぶはっ、と吹き出す。

「おまえ、わかりやすいよなぁ……」
「なにが?」
「はいはい、拗ねんなって」
「拗ねてないです~」

凛の態度に太刀川は何故か更に機嫌を良くして構ってくるため、凛もへそを曲げているのが馬鹿らしくなり結局いつも通り他愛のない話をしながら凛の部屋へと戻ることになるのだった。

太刀川が看破した通り、凛は確かに拗ねていた。自覚もある。けれど、拗ねる資格はないことも分かっていて、それに対しても苛立っていたのだ。
どうして自分だけが特別だと思ってしまっていたのだろう。そして、そうではないと突きつけられた現実を自分としては珍しく受け入れるのが嫌だった。
太刀川といると調子が狂う。だけど、太刀川と一緒にいるのは楽しかった。

この感情の正体を凛はまだ知らない。






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