3
「そこにいるのだろう?」
土井は私室のすぐ近くにある木に向かって声をかけた。
「おや、ばれていましたか」
「ちぇー」
「忍術学校の教師を舐めないでほしいな」
木から降りてきたのは6年の立花と七松だった。
「いい加減彼女をいじめるのはやめたらどうかな?」
「別に彼女をいじめているわけではありません。
あやしいので調べているだけですよ」
土井と立花が見つめあう中間で火花が散った。
「土井先生だって彼女はあやしいと思っているのでしょう?」
その七松の発言に土井は顔を曇らせた。
そう、土井だって彼女の全てを信じているわけではない。
2014/5/16
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