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私は美しいものが好きだ。
立花仙蔵はいつもそう思っていた。
そして、最近お気に入りの美しいものは八幡#naem2#。
正確に言うと、彼女の泣いている姿が好きなのだ。
八幡梓乃が学園に来てから少し異変があった。
特に忍たまの間で彼女を泣かせようとする輩が増えたのだ。
正直意味が分からない。何故そこまで構うのか。
少ししか話をしたことがないため断定は出来ないが、嫌われるような性格ではないだろう。
それともあれか?
好きな子を泣かせたいという幼い子供特有の行動なのか。
それにしても、小平太までその仲間に入るとは…
遠くで七松が梓乃を探す声を聞きながら、呆れていた。
彼女が見つかるわけがない。
なぜなら、七松が探している人は立花のすぐ近くの落とし穴に落ちてるからだ。
「出られそうか?」
後輩の不始末は先輩がとるのが常識。
立花は落とし穴の中で泣いている彼女に声をかけた。
突然声をかけられて驚いた彼女は、声がする方を見上げた。
なるほど。
七松たちが彼女を泣かせようとする理由がわかってしまった立花であった。
2014/5/16
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