100題 | ナノ





 100の小噺

き  君の名のコノテーション
  (ハイキュー!!/影山飛雄)
み  惨めっぽい本意
  (おおきく振りかぶって/高瀬準太)
の  のどなんかずっとまえなくした
  (黒子のバスケ/高尾和成)
な  撫でる手は震えるけれど
  (氷菓/陸山宗芳)
ま  前髪ではねた陽
  (ハイキュー!!/菅原孝支)
え  選りすぐりの婉曲なら
  (SLUMDANK/南烈)
を  汚点のある肌
  (忍たま乱太郎/雑渡昆奈門)
ど  どれでも好きな灯を持って
  (ハイキュー!!/岩泉一)
う  うつろうゆめ
  (物語シリーズ/忍野メメ)
か  悲しみの色をしている
  (あまつき/梵天)
よ  予感としてなら知っていた
  (黒子のバスケ/森山由孝)
ば  ばかやろうでじゅうぶん
  (おおきく振りかぶって/島崎悟吾)
せ  せりあがる陳腐なことば
  (あひるの空/常盤時貴)
て  てっぺんのひとり
  (進撃の巨人/リヴァイ)

ほ  ほんとうは遠くで
  (黒子のバスケ/緑間真太郎)
の  覗き込んで、竦んだ
  (地獄少女/一目連)
か  彼を滲ます悪いやつ
  (TOA/ガイ・セシル)
な  波ははじめ風だった
  (テニスの王子様/丸井ブン太)
ぬ  ぬるめた情熱で
  (サマーウォーズ/陣内理一)
く  くるしいのが終わったら
  (ガンダムSEED/イザーク・ジュール)
も  貰ってほしい春があるんだ
  (となりの怪物くん/三沢満善)
り  リネンは星と陽のにおい
  (鋼の錬金術師/ジャン・ハボック)
だ  出せない手紙の宛名
  (ONE PIECE/マルコ)
け  敬虔な銃口
  (黒子のバスケ/黄瀬涼太)
を  音だけで降る雨
  (ハイキュー!!/及川徹)
と  遠ざかりゆく幻に
  (TOX2/ユリウス・ウィル・クルスニク)
か  風は何から逃げてるの
  (TOI/スパーダ・ベルフォルマ)
し  終着予定地
  (ダイヤのA/御幸一也)
こ  言葉なんか残らなかった
  (BLEACH/浦原喜助)
も  もげるようにこぼれた嘘
  (I'll/柊仁成)
う  後ろ姿はりりしすぎて
  (SLUMDANK/三井寿)
た  正しく願うことはできなかった
  (あひるの空/安原真一)
と  鳥が歌い、君は黙る
  (ワールドトリガー/迅悠一)
え  英雄性の否定
き  君にやさしいなにもかも
み  右手には百合の花、左手にはさもしい空白
に  肉体に庇われたそのたましいを
と  ときどきでいい、最後でないなら
ど  どうか私の日常でいてください
か  駆けて駆けて、いつかふわりと
ず  ずるいけどきれい、だからずるい
と  問うな、真実のために
も  もっときれいに笑えたらいいのに

せ  世界の切っ先
め  目指すさきが君になるなら
て  天のように沈黙
よ  呼んでいい名前を教えて
け  敬愛を深くした感じ
い  いやだって言ってあげるから
な  泣かすくらいなら偽者でいい
か  重ねて、連ねて、足りやしない
な  なんどめかなんてわかんないぐらい
し  真理の使い手
み  みぐるしい無表情をみだしてください
を  思ひ余るる雪花石膏
ま  まやかしと信じた
と  とこしえのこころを
わ  私なんかより、君を好きになりなさい
ぬ  縫いつけて、冬のため
よ  よちよちあるいてとおくまで
う  上のほうの尊いどこか

さ  明かに見えし必然の
さ  さりとてゆめは
や  やさしさはあがないか
か  覚悟だってさ、馬鹿じゃないの
な  なまくら刀で縁切り
さ  さよならを泣かさないように
い  往く哀切を惜しむ
わ  私の幸福は面影になった
い  いきもののにおいだ
が  硝子も夢なら
か  黴くさい鼓動です
す  少なくともひとつの愛だけは
ま  守りの接吻
ぬ  濡らそうとも凍えさせまい
よ  よそのお国の方でしょう
う  うつらうつらの天井

た  喩えてなどいない
だ  誰かが君を抱きしめるのか
き  君はあるひとつの幻を見続ける
み  みんなきみをすきだといい
の  野ばらが攫っていったので
な  嘆きあうふたりを隠してください
ま  瞼に風を描けるように
え  永遠なんて知らないままで
を  黄金時代

な  なくした物なんて、不仕合せくらいです
が  害のない愛ではいられません
い  いつか君に優しい世界で
て  天の火を待ちながら
が  該当者なし
み  見失ったひと
の  逃れがたき怪物
あ  歩くのにいるのは、たぶん脚じゃないんだよ
て  定時に会いましょう
な  泣くためのいつか
の  昇っては降り注ぐもの
よ  夜があって、朝がきたこと
う  美しく立ちたいと思うたび
に  虹のたもとには、君がいるのかもしれないね



君の名前をどうか呼ばせて。
仄かなぬくもりだけを溶かし込もう。
たとえ君に届かずとも。
せめて余計な悲しみを纏わぬよう。
ささやかな幸いが霞まぬよう。
ただ君の名前を、長い手紙の宛名のように。


title by:as far as I know