ちゃんとモキチのところからスタートしてくれて、良かったです。
ええええ!どうなんの!と期待させるだけさせといて、あっちゃこっちゃ飛ばされるのなんて既に慣れっこですが、今回はバビュンと飛ぶこともなくきちんと収録してくれていましたね。
そうか、やっぱりモキチにロマンス到来か。
丸高戦が一段落して急に色恋沙汰へピントが合わされていますが、もともとこういう日常生活をもっと描きたいと日向先生も仰っているので、楽しんで描いてるのかなぁと思うと嬉しくなります。


●モキチ、やっぱりロマンスの予感
前にも書いたんですけど、モキチが女の子に対して特別な感情を抱くなら、月島先輩からの脱却は絶対に避けては通れない鬼門です。
高校ではバスケしない、と一度は決心させたほどの存在ですし、モキチにとってこの中学時代の片想い(一応両想いだったんだろうけど)は相当なトラウマ。
近頃は厳しい練習や踏ん張りどころな試合、恋愛を匂わせる描写は百春とまどかちんが担っていたので、モキチと月島先輩の云々はちょろっと薄れてた感はありましたが、しっかり回収されるようで安心しました。
モキチがもう一度バスケを頑張る、と決意し、それを月島先輩に伝えたことである意味決着は付いていたようにも感じますけど、それは月島先輩を理由に“もうバスケを諦めない”という意味ですもんね。
また誰かを好きになる時には、どうしても避けることはできない。
だから体調不良で意識朦朧としていたモキチは、手を差し伸べてくれた女の子の顔も覚えてはいなくて、月島先輩が「大丈夫?」と声をかける夢を見たわけですが、その顔がぼんやりとぼやけていた。
それに対してモキチは、『僕は冷血な生き物だ』と自分を評価します。
あんなに好きで、しかもその恋はとても辛かったはずなのに、その記憶や思い出が薄らいでいることすら忘れていたことに、モキチとしては引っかかりを感じずにはいられないようです。
第三者として言わせてもらうなら、別にいいじゃんそんくらいってなもんですけど。
モキチにとっては中学時代のしんどい練習を耐え抜いた根底に月島先輩がいる以上、しかも初めて自分が異性に対して想いを寄せた相手なので、そう簡単に割り切ることができないのでしょう。
そんな中、タクシーを使ってまで自分を自宅に送り届けてくれた相手がいて、それが一年の『よしゆき』さんだと姉から言われので、タクシー代の返却とお礼を言うため一年の教室を訪ねます。
何とか『よしゆき』さんと遭遇した時、モキチがちょっとだけ驚いているのは彼女が月島先輩に少し似てたからかなぁと思ったんですけど、女の子にしては身長が少し高かったからみたいです。
170cmの芳幸愛ちゃん、一年生。
うっかりしてました!
この子、37巻の冒頭にちょろっとだけ出て来た女の子でした!
モキチが千葉Jrからファウルを受けて流血沙汰になった時、床に落ちた血を拭いていた女の子。
確かに、ただのモブ女子としてはわざわざヒトコマ使ってモキチのガッツに驚いている顔を描かれていますし、あーあーあーもう日向武史はやっぱりやってくれるなぁ。
気付けなかったのがすごく悔しい!!!
いい具合に人との距離を作らないというか、あっけらかんとしてサッパリした女の子で、先輩のモキチに対しても言葉遣いこそ丁寧ながら、長身の彼に臆することもなく言いたいことをきっぱり言うタイプのようです。
「試合はカッコよかったです」と言われて、モキチも満更でもないどころか、ぽわぽわしてしまったことを自覚しています。
恋の始まりというか、さわりの部分を描かれているのかと思いきや、しっかりモキチが浮かれていたり、「恋をしたわけじゃない」とモノローグで釘を刺しているところを見る限り、私としては割と急転直下な展開にうわあああああ!と頭を抱えた次第です。
これ、もう恋の予感しかないじゃない!?
一番おいしい形のフリってやつじゃない!?
そこで月島先輩を思い出しちゃう辺りがモキチらしくて、モキチのなかで月島先輩に対する想いがどれほど根深いかを同時に垣間見たわけですが、バスケだってもう一度向き合うことを決められたんだから、この厄介な気持ちもまたきちんと過去にできるといいなと思います。
見守るしかできませんが、モキチは幸せになってほしい。
だってこんなに一途なんだもの、その一途さを返してもらっても良い頃合いだと思う。
月島先輩はね、私ちょっと苦手なキャラでして。
モキチに対して頑張ってほしいと心から思っていただろうし、彼を好きだった時も確かにあったと思うし、彼女なりに色々辛い選択があったのかもしれないけど、モキチが頑張る理由が自分だってこと気付いてたと思うんですよ。
分かった上でああいう態度を取っていたこと、モキチを好きだったはずなのに自分から結局そういう意味では動かなかったこと、色々、ちょっと同じ女として嫌味に感じてしまった喪女です。
だからモキチ、月島先輩を踏み台に強くなれ!
新しい恋をしろ!
次元を超えて、必死に応援してます。

あと、モキチの弟がちらっと映り込んでいたんですけど、顔変わっとる…。
よしおくんみたいな弟だったよね!?
一年ですごい成長だなオイ!


●行太のロマンス
丸高戦で行太が目を覚ますキッカケを与えた女子部の子とは、何かしらあるだろうな〜と誰もが思っていたはずです。
あれだけ自分に色々な言葉を投げてくれるんだから、気にかけられてることは行太自身も感じていたでしょうが、その理由が流石日向先生でしたね。
きっちりとオチが用意されてました(笑)。
そりゃ「なんだこの展開!!」って言いたくもなるだろうて。
女の子→行太とずっと思わせておきながら、実はそうでもなかったという何とも可哀想な結果でしたが、行太→女の子はちょろっと片鱗が見えましたよね。
サボってるって思われるよ、と彼女が立ち去った後、影になっていて分かりにくいながら行太の顔が赤くなったままですし。
あの千切れたナオちゃんのゴム、ちゃんと取っておいたんだなぁ。
まぁ行太にとっちゃ、若干の後ろめたさとカズとの決別を象徴するアイテムだから、持っていてもおかしくはないですけどいちいち律儀だな、行太。
まどかちんと言い、ヨーザンと言い、行太と言い、何かをキッカケに髪を切るキャラが多いこと。
子どもっぽくて生意気な行太と、ちょっと大人びてて痛いとこガンガン突いてくる彼女と、このふたりの可愛らしい恋路という楽しみも増えて、私は大変満足でした。


次は合併号か。
とんでもない爆弾放り投げられて途切れないことだけを、願ってます。





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