●戻ってきた一年生たち
格上の北住高校との交流戦で善戦をし、尚且つ勝利を掴み取ったことが新一年生の間でも話題になり入部希望者が殺到します。
でもたった一日、しかもいつもの半分程度の練習量でそのほとんどが音を上げ、その時点で残った一年はミチロウのみとなります。
その後、少し遅れてよしおくんと行太が入り三人が新入部員としてクズ高のメンバーに加わります。
この三人(よしおくんは未経験者なので精一杯声出しを本当に頑張ってた!)の新しい戦力が新丸子高校戦で芽吹き、爆発するんですが、この試合のサポート役、いわゆるお手伝いのボランティアを買って出た一年生がいました。
ハルオくん、小池くん、中田くん、和田くんの4人です。
ハルオくん以外は一度入部して初日で脱落したクチで、ハルオくんはバスケ部に興味を惹かれ個人的に空と接触しながらも、自身が受けた不幸が尾を引いて入部には至らなかった子でした。
そんな4人がマガジン16号で、改めてバスケ部に入部して新戦力となります。
この4人が着火した理由は、言わずもがなボランティアとして手伝っていた丸高戦に触発されたから、です。
各々が様々な葛藤を抱えながらも、“今ここに飛び込まなくちゃ後悔しかない”と決断したからこそ、一度はすぐに諦め捨ててしまった場所、もしくはバスケをしたいと思いながらもあと一歩が踏み出せなかった場所へ飛び込む覚悟をしたのだと思います。
そして18号で、彼らの奮闘ぶりが描かれています。
ひとりは、友人たちから「バスケ部入って必死になるなんてバカじゃないの?」と、一生懸命向き合おうとする姿勢に冷めた言葉で返されてしまいます。
そんな周りの目を気にしつつも、前日に練習の途中で脱落した不甲斐なさに朝6時前という早い時間に家を出て、体育館に向かうんです。
その道中よしおくんと遭遇し、彼が遠いところから身体を鍛えるために走って来たこと、そしてよしおくんが「素人だからみんなの3倍は頑張らなくちゃ追い付けない」という真っ直ぐな言葉にうかうかしてられないぞ、と不安を抱きます。
あとの新人三人もまた、考えていることは同じらしく体育館の傍でばったり集合してしまいます。
全員、筋肉痛で足はパンパンだと言いながらも、どこか晴れ晴れとしていてこれから待ち受ける厳しい練習すら楽しみだ、と言わんばかりの表情で体育館の中に入ると、そこには既に百春が練習を始めようとしているところでした。
百春に関しては後で別途書こうと思っているので、ここでは割愛します。

日向先生やってくれたなまったく!!!!!!!!!!!と声を大にして叫びたい!!!!!!!!!!!!
いや、彼らが出戻るのは分かっていました。
丸高戦のお手伝いに立候補した時点で、彼らが新戦力として加わる未来は見えたも同然でした。
そもそも丸高戦で着火したというのは、言い方が悪かったかもしれません。
確かにそこで彼らのエンジンは言い訳ができないほどかかりきってしまっただろうけど、すぐに辞めた三人も結局入部しなかった一人も、ずっと“これで良かったのだろうか”と燻っていました。
だから丸高戦はいわば、弱まり消えかかっていた火に風を当てて炎を大きくした役割、と言った方が正しいと思います。
私は出戻って来たことにやられたぁ!と頭を抱えたわけではなくて…いや、そうなんですけどね。
そうなんですよ、ただあの試合に当てられもう一度再起しようと踏み止まったことは、彼らにとっても既存メンバーにとっても非常に大きなターニングポイントだったはずですから、魅せ方が上手なのは日向先生流石ですの一言。
なんですが、彼らが新入生として入ってくる前に、クズ高バスケ部でひとつ大きな出来事がありました。

チャッキーの退部です。

素人枠で、ヤスやナベさんと共に空たちとイチからずっと一緒に汗を流してきた仲間の、ここにきての退部。
その理由が、“自分より上手い一年が入って来てほしくない”という本音でした。
同じスタート地点に立っていたはずのヤスやナベさんが、それぞれ自分の役割を見つけ、目標を見付けた手応えからどんどん上達し、試合でその役割が少しずつ開花しようとしているのをベンチで目の当たりにしてしまう。
そんなふたりがミスをしたら喜んでしまう自分、活躍したら妬んでしまう自分、それでも必要とされたくて、このままみんなと頑張っていたくて、その和の中に自分もいたくて…そんな葛藤をずっと彼は繰り返し、最終的に空パパに一言きつく図星を突かれたことで退部の決意を固めました。
チャッキーはどう否定したも湧き上がってくる黒い感情を認めた上で、大好きなその場所を去ることに決めます。
普通の少年漫画、スポーツ漫画なら、そこで何とか彼を奮い立たせ、もう一度一緒に目標に向かって頑張ろう!と決意を新たにし、チームの結束も深まり、今まで以上に良い関係が築ける!という美談が用意されていそうなものですが、『あひるの空』にはそんな激熱展開はありません。
チャッキーは、辞めます。
戻っては来ません。
空はせっかく今まで一緒に頑張って来たんだから、と何とか彼を引き戻したいとチームメイトに吐露しますが、みんなは「そーだそーだ!そうしよう!」ともなりません。
引き止めることも、引き戻すことも良しとはしなかった。
クズ高メンバーはみんな、色々なものを諦め、投げ出し、捨てた経験を持っています。
それを取り戻すために今懸命に、バスケに打ち込んでいる。
そして今まで友人として、チームメイトとして、誰よりも濃い時間を一緒に過ごしてきた仲間だからこそ、チャッキーの退部という覚悟が誰かに説得されて覆るものでも、もしその説得によって戻って来たとしてもそれがチャッキーのためにもチームのためにもならないことを、とても良く理解していたからだと思います。
それでも説得しよう!とこだわる空に、「継続されることが美徳と思われがちだが、断ち切る時も相応に勇気が必要だ。チャッキーの勇気を俺は買う」と返した千秋のセリフは名言以外の何者でもありません。
本当にその通りだと思う。
みんなで続けていくことが当たり前となっている現状で、自分も続けたいと思っているのに、これ以上はと『見切り』をつけることは何かを始めることよりずっと難しい。
大元を締める自分の感情とは真逆のことを決断しなければならないというのは、そうそう誰にでもできることじゃないからです。
でもチャッキーは、あえてそうした。
その後ヤスがチャッキーに空手を辞めるに至った経緯を話し、“その時は『他人』が理由で辞めた”と説きます。
“でもお前は違うんだろう?”と、『他人』に何かされたから、『他人』が気に食わないから、『他人』と上手くやれないからではなく、ましてやそれを言い訳に逃げることもせずチャッキーはきちんと『自分』を理由にした。
自分が許せなくなってしまうから、と。
そしてナベさんは、チームメイトとしてではなく友人として特に何を語るでもなくチャッキーの隣りに佇み、帰り際に「また明日」と言い残すのが、もう!もう!ナベさん抱いて!!!!
どんな理由であれ、突然辞めるというのは関係性に亀裂や軋轢を生むキッカケになります。
だからチャッキーも気まずさからしばらくバスケ部員に会わないよう、コソコソと隠れるようにしていました。
でも、友人から友人として「また明日」と言ってもらえたことで、きっと居場所を失ったような気がしていたチャッキーに居場所があることを示してあげられたと思うんです。
こうした最初からずっと一緒にやってきた仲間との離別が前置きとしてあったからこそ、新入部員の出戻りが映える。
(※チャッキーのこのエピソードは是非とも、きちんと単行本で読んでほしいです。日向先生自身もこのエピソードは描くかどうかを相当に葛藤し、迷い抜いた結果描かれた非常に秀逸なエピソードなので、是非ともこんな言葉の羅列ではなく表情の見られる原作で確認して頂きたいです)。

簡単に言えば、対比です。
一年間ずっと挫けず(ちょいちょい問題は起こしたけども)一緒にやってきた仲間との離別と、一旦踏込んだもののすぐに手放したものを今度は死にもの狂いで掴み取ろうとする新しい仲間という対比。
してやられた、としか言いようがありませんでした。
日向武史、一体どこまで私を震え慄かせれば気が済むのだろうか…と頭抱えましたよね。
もう本当にぐうの音も出ねぇわ。
小沢先生というバスケ部を同好会から部に昇格させる際、立ちはだかる嫌味っぽいおじさん先生がいるんですが(実際は良い意味で人間くさくて素敵な人ですよ)、その人が暑苦しい情熱を空回りさせている新米教師に言うんですよね。
「世の中頑張ったってどうにもならないことがあるのに、夢だの何だのと無責任に励ます連中は信用ならない」って。
教師としてその言葉ってどうなの!と情熱空回り新米教師は歯向かおうとするんですが、小沢先生は「無駄なことを頑張っている人間は嫌いじゃない」と締めるわけです。
もう、これ。
これがまさしく、日向先生が伝えたいことのひとつじゃないかと思います。
漫画なんだから、ではなく漫画だからこそ自分はこういうことを伝えたいという表れじゃないかなぁと。
それを切々と現38巻まで描き続けているんだろうなぁと。
話が反れまくりで申し訳ないんですが、ここで新入部員たちに話を戻します。
部活動って報酬が得られるわけじゃないですよね。
仕事と違って、利益を得るためにするものじゃない。
目標を気持ちひとつで、支えているようなものだと思います。
そこにはプライドだったり、決心だったり、学生たちにとって様々な理由があって達成するため、または認められるために必死になっているわけです。
社会人になった今だから分かります。
そんなことができるのは、学生だからこそです。
学生の時分にしか、できないことです。
大人になれば嫌でも生きていくために働かなくてはならなくて、それは報酬を得るために時には納得できないことも心を殺して取り組まねばなりません。
気持ちひとつで、どうにもならないことばかりです。
サービス残業にサービス始業、ぺこぺこと頭を下げる、理不尽な言いがかりを付けられる、そんなことはごろごろ転がっています。
給料を得るために、仕方なくしていることです。
暗黙の了解として、ほぼ強制されているようなものでもあります。
でも彼らは誰に言われるでもなく、決められた練習時間より早く出向いています。
どうしてもしなければならないことがあるわけでもなし、早く来いと強要されたわけでもなし、自発的にそうしています。
大人になった今思うと、近頃そんな純粋な想いで何かに取り組んだことがないなぁということ。
彼らはそんなかけがえのない時間を、(ただやりたい!という気持ちだけでそこまで重たくは考えていないだろうけど)後悔で塗りつぶさないために今を懸命に足掻くことを決めたのだと思うと、また頭を抱えずにはいられない。
これもまた、日向先生の描きたいことのひとつだと思います。
制服に袖を通し、当たり前に色々なものに守られ、その中で一生懸命になれるものを見付けることの大切さ、貫くことの難しさ、挫折、再起、足を止めないこと、その全てがあの時間にしか経験できないかけがえのないものだったでしょう?と大人になった我々に切々と語りかけ、今まさにその最中にいる子どもたちには、その時間は決して戻ってはこないから大切に過ごしてねというメッセージと私は受け止めています。
鶴工の監督ウッチーがマグミに対して「俺はここで間違ってもきっとどこかでやり直せる。でもお前たちの三年間は俺たち大人の何十年分にも値するんだ」と伝えるシーンがあるんですけど、これです。
さっきからこれこればっかり言ってますが、これなんです。
こういうことなんですよねー、あーもー日向武史ぃぃぃぃ!
この新入部員たちが、一年生たちが、どんな活躍をしてくれるのかと今からワクワクが止まりません。

●百春について
この時点でえらい長くなってるのにまだ続けるのかよ…と私が一番思っていますが、続けます!
私だって着火した。
百春はね、もう語り尽くせないキャラのひとりではあるんですが、キャプテンとしてようやく確立した彼は大変男気を見せてくれています。
足がパンパンに腫れ上がり、本来なら歩くことさえままならない状態で丸高戦を戦い抜き、入ったら奇跡とまで言われるフリースローをコンマ何秒の世界で2本決め、立派にキャプテンとしての務めを果たしました。
が、そこで試合が終わるなら超絶美談です。
でも、地区予選はまだ続きます。
丸高戦の勝利は喜ぶべきものではありますが、現実を見ればIH出場という目標の通過点でしかありません。
その中で、空中戦の要である百春が怪我で試合に出られないとなれば、苦戦を強いられるのは必須です。
何せ人数少ないですし、選手の層は薄いんですから、無理をしてでも試合に出るという選択肢しか百春にはありません。
痛みを押して練習をしようとしている百春を初めて見る出戻り組は、そんな百春の姿を素直に「カッコイイ…」と思います。
確かにカッコイイし、男を上げた。
そこに異論はないですが、ここで無理しても…という我々読者の心中を察して、千秋が力ずくで百春に待ったをかけます。
そして「早く怪我を治すことと、俺たちを信じること」が今すべきことだと言い、無理な練習を続けようとする百春を止めました。
ここにきて、百春が託す側になった。
クズ高は今まで一年と二年だけで、そのメンバーがチームとして機能していました。
百春たち(当時)二年にとっては先輩はいない状態ですから、託されることもなければ現役バリバリなのでもちろん託すこともなく、自分たちでイチから作り上げていく過程でした。
だから託す託されるのエピソードは、丸高の千葉さんとトキワさんにスポットが当てられていたわけですけど、進級して新しい後輩が入って来たことによって百春もようやくその地点に到達したと言えます。
感慨深いー!
何より空が百春に伝えた「あの日ここで百春君とバスケを始められて本当に良かった」という言葉が!そしてそれを受け止めて「オウ」と目を細めたにっこり笑顔で聞き届けた百春が!10年(※読者体感時間)の歴史を感じざるを得ないじゃないですか!
百春のこの手の笑顔って、実はかなり数が少ない。
普段常識的なツッコミ役として手腕を発揮せざるを得ないポジションも相まって、心の底から嬉しそうで幼さの残る笑顔っていうのは、今覚えている限りでもこれを合わせて三回じゃないかなぁ。
まどかちんに見せた一回、部室が新しく割り振られた時に一回、そして今回の一回。
覚えてる限り、ですけども。
そのどれもが、百春とっては大切な節目節目に浮かべられている表情です。
日向先生これも狙ってやってんのかなぁ…と思わず勘繰りたくなるほど。
百春を欠いた状態で、一体どう切り抜けて行くのかも今後の楽しみです!

●バスケ部女子について
ようやく…ようやく…19号の話題に到達した…(※動機息切れ)。
空パパが女子部の監督に就任したことから、女子にもスポットを当てられる機会がとても増えました。
まどかちんたちにとっても最後の年です。
試合の描写もたくさんありました。
本誌で追ってる時は、「空たちの試合を早く見せてよー!」と駄々をこねていた頃もありましたよ、ええ、ありました。
でも単行本で一気に読み返すとなると、この女子の成長っぷりもとても納得。
掌返しは私の得意技です。
百春が託す側になったと言いましたが、それはまたまどかちんたちにも言えることで。
新しいキャプテンを選出して、新しいチームとして女子も動き始める時が来ました。
女子は残念ながら奮闘しつつも敗退となってしまったので、本来ならまどかちんたち三年は引退です。
そして19号で、大人しいめの女の子ながら空のプレイスタイルに憧れて懸命に努力を続けてきた新見ちゃんが、この度満場一致で新キャプテンに選ばれました!
でも新見ちゃん、無理無理無理!と嫌―!と与えられた肩書きに不安いっぱいです。
もともと元気一杯、活発で明るくて快活な女の子ではないことは今までの登場シーンでも分かっていたことですが、今週号で彼女の人見知りで大人しい性格が子どもの頃から根付いているものだということが明かされています。
中学でバスケ部に入ったのも友人に連れられてで、しかも友人は一ヶ月でドロップアウト。
新見ちゃんも辞めたいと思いながらそれを言葉にする勇気がなく、気付いたら三年間ベンチでひたすら声を出し続ける部活時間だったと語られています。
自分の意志で始めたわけでもなく、明確な目標に向かって頑張っていたわけでもないのに、新見ちゃんは高校でもバスケをすることを選んだわけです。
彼女は空に、自分がキャプテンなんてできる人間じゃないと不安を吐露しますが、空にしてみれば下級生で唯一のスタメンであり、毎日自主練習をしている姿を見て来ているので、“選ばれるべくして選ばれた結果”というスタンス。
私も、そう思う。
けれど彼女の性格上きっと、自分の頑張りなんて…と思ってしまうタイプです。
空だって、人のことだからそう言い切れるのであって、自分がその立場になったら「これだけ頑張ってきたんだから当然!」とは思えないでしょう。
第三者的視点と、当人視点とではベクトルが違ってしまう。
これはチャッキーにも言えることで、チャッキーは自分が一番下手くそでヤスやナベさんのように自分の役割はないと決め付けてしまっていましたが、仲間はみんなチャッキーが一番ディフェンスが上手で、一番上達が著しかったと評価していました。
こういう擦り合わせって、本当に大切です。
新見ちゃんはこの時点で、空という第三者的視点で見られている自分というものを知ります。
それでも社交的で、前向きで、いつも一生懸命な空を羨み、自分にないものばかりに目が行ってしまう中、恐る恐る足を運んだ体育館で引退するはずのまどかちんたちが待っていました。
「お前の性格は良く知っている。その上でみんなに必要とされたんだ」という空パパの言葉と、受験という大切な時期にも関わらず不安で押しつぶされそうな自分のために練習に参加してくれる先輩たちの後押しを受け、彼女もまた大きな一歩を踏み出そうとしています。
そもそも、空にスリーポイントの指導をお願いした時点で、新見ちゃんは自分の内気な性格という殻を破っていたんだと思います。
だけど大事な試合で、納得のできるプレイができなかった。
それがもともと自分を過小評価してしまう癖に拍車をかけてしまっていたけれど、そんな自分を理解してくれている上で“必要”とされている。
彼女にとってこんなにも心強い言葉はなかったと思います。
あひるはどこまで行っても、存在価値や誰かから必要とされることの重さや尊さを突っついてきますね。
新見ちゃんもまた、初めて自分が必要とされた瞬間に“欲張りたい”と意欲を見せてくれたので、今後が楽しみでなりません。

●モキチ…ロマンスの予感?
ビックリしました。
たまげたもんです。
丸高戦終わりに体調を崩していたのは知っていましたが、そこから何か新しい出会い生まれてるこの意味とは…?
月島先輩からの脱却は、確かにモキチにとって大きな一歩かと思いますが結構唐突にぶっこまれたのではわわわわ!てなりました。
すごく落ち込んでるんですよ。
フル出場(今までを振り返ればあの千葉Jr抑えてのフルなんだからすごいんですけど)しただけで、風邪を引いて悪化させてしまう自分の虚弱さに打ちのめされています。
でも、トビが文句を言わなかった。
いつもモキチとは反りが合わずに、さっさと喋れとか頼りにならんとか散々モキチの虚弱さを皮肉っていたトビですら、「ノッポが風邪で早引きした」とだけ空に伝えるんです。
え、それだけ?と思われるとは思いますが、文句がないんですよ!!!
今まで散々言ってたのに!事実を述べるに留まった。
それはあの試合で、モキチがそれだけの働きをしたことの証拠です。
生まれつき身体が丈夫ではないのだから、と私は思ってしまうんですが、それでも一皮向けてセンターとして地位を確立できた直後なだけに、その心のバランスが心配です。
そんな中、後輩らしき女の子が体調が悪くてうずくまるモキチに「大丈夫ですか?」と声をかけているところで終わったから!もう!もう!もう!
この女の子誰だっけ!?出て来てた?今までいた?
制服からクズ高の生徒だとは思うんだけど、私今まででどこか見落としてる!?
必死に記憶の引き出しを総動員してるんですけど、思い当たりません。
どなたが思当たる節があれば、教えてください(※切実)。

それにしても、追記最長記録叩き出してしまったぜ…。
もう私は真っ白に燃え尽きました。
来週が非常に楽しみです、でへへ。





「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -