水山教祖にマンツーマンでたこ殴りを受け、ハイキュー沼に引きずり込まれてから早一年半。
家にあるのに読んでないって言った時からの彼女の猛攻、生涯忘れることのできない心の傷と言う名のトラウマを負ってからもまた、然り。
その時から私の心を奪い続ける男がひとり。
花巻貴大。
初登場シーンから、私もうこの人に首ったけでして。
当時は教祖からも「何でそこにいったんだ」と言われ、ハイキューを貸した友人にもマッキーが好きだというと「え…?え…?」と二回立て続けに首を傾げられたけれど、いいかお前たち。
本誌での彼の輝きを見ても尚、同じ反応ができるのかね?
私はそう問いたい。
一度はもう二度とお目にかかれないかもしれない、と覚悟もしました。
露出の多い主要キャラにギリィッ…!となることもありました。
でも、今。
まさに、今。
こんなにも輝いてるじゃないですか。
活き活きとコートを駆け回り、信頼する仲間たちと勝利を手にするために、戦ってるじゃないですか。
トンコォーツ!じゃないですか。
残念ながらお前は決めるに決まっているじゃないですか。
毎週毎週、ジャンプに頭擦り付けて泣いちゃうじゃないですか。
チャーシュー?いくらでも大盛りにしなよ!じゃんじゃん追加しちゃいなよ!ってなもんじゃないですか。
貴い。
貴すぎる。
前髪がちょっとパツンとなったくらい、もはやどうでもいいわ。
何かもう、本当に、こんなに魅せてもらっていいのかってくらいの表情や言動が、たまらなく心を揺さぶられます。

青葉城西の三年って、チームメイトだなって思っています。
烏野や伊達工は良い友人関係を感じるんだけど、青城にはあまりそれを感じない。
まぁ実際、及川に対して『友達にはしたくない』宣言が松っつんやマッキーから出てるあたり、彼らも友人とは思ってないんでしょうけど。
及川徹が青城の中心であり、及川と岩ちゃんの関係性が突出しているために他はあまり多くは語られていないからこそ、「信じてるぞキャプテン」の際は得も言えぬ幸福感に包まれました。
及川がチームメイトを心から信じているように、同じコートに立つ面々もまた及川を心底信じてる。
まぁそうだろうな、というニュアンスは多々感じるところはあったけど、あそこまで直接的に描いて頂けるなんて夢にも思わず。
チームメイトなんだなと、ひしひしと感じたわけで。
今まで及川から見ての青葉城西というチーム、という描かれ方だったのが完全に、青葉城西というチームから見ての及川、に切り替わったあのエピソードは、本当に青葉城西三年の関係性をこれでもか!と感じさせてくれたわけで。
楽しいことを共有する“友達”じゃないんだよなぁ。
バレーで掴み取りたい目標に向かって、苦楽を共にしてきた“戦友”っていうのがこのチームほどしっくりくるところはないと思っています。
及川は追いかけてくる天才にいずれ追い抜かれ、負かされる時が来ることを決定事項のように悟っています。
そのいつか来る瞬間に対して諦めてしまっていたからこそ、焦りもがいていたのが中学時代で、“個人”ではなく“チーム”に意識を向けさせたのが岩ちゃんです。
血の滲む努力で手にした技術をポンとやってのけられてしまう素質を前に諦めるのではなく認めることで及川は、ひとりでは決して敵わない相手に勝る唯一の手段を手にします。
言わずもがなの、チームプレイです。
自分では打ち込めないスパイクも、岩ちゃんが打ってくれる。
自分では止められないスパイクも、松っつんが止めてくれる。
自分では拾えないレシーブも、マッキーが繋げてくれる。
信頼を寄せられるチームを作り上げる才能が、高校バレーで開花した。
本来の持ち味で最大限の実力を発揮する地盤を作り上げたわけです。
県内屈指と謳われるセッターは、感覚で超人的スキルを吸収してきたのではなく努力に努力を重ねて技術を会得し今に至るという姿を、三年生は嫌というほど目の当たりにしてきたはずです。
だからと言って、及川のためなんて殊勝なことを思ってなさそうなところがいい。
勝ちたいのは自分。
次へ進みたいのも自分。
みんな自分のためにバレーをしてる。
ただ目標に近付くために一番真っ当で一番可能性が高かったのが結果として、及川の信頼に応えることだったというあの貫録は、魅了されないってのが無理ってなもんでしょう。
だからこその友達友達してないチームメイト感が、いっそう引き立っているように思います。
私は及川を語りたいのではなくて、マッキーを語りたいんだけども。
青葉城西ってチームを語る上でやっぱり、及川の存在を抜きに考えるのは到底無理な話なんですよね。

おおよそ誰もが羨むものを持っているのに、決して満たされていない及川を見てマッキーはどう感じただろう。
間近であんなものを見続けていたら、同じツールを共有している者として感化されないわけがないと思うんです。
でも、引っ張られすぎちゃいけない。
そういう線引きがマッキーや松っつんは上手に感じる。
岩ちゃんが相手がどう出て来ようと真っ直ぐ向き合うタイプなら、彼らは流れに乗りながらも自分の譲れないスタイルは崩さないタイプかなぁって。
及川の努力も、ひたむきさも、健気さも、葛藤も、一応は理解しているしそれでもチームの要として機能しようとしている姿には尊敬もしているかもしれない。
けれどその役割は及川であって、及川にしかできなくて、自分のすべきことやできることは他にある。
そう考えると、まさしく“お城”だなと思う。
でもそのお城に住むお殿様はチームのどこにもいなくて、お殿様こと“勝利”を迎え入れるためにあいつらは全員で城を建築してんだと考えると、何かすごいスッキリするのは私だけでしょうか。
一見目立つ及川でさえ、現場監督。
現場監督及川のもと、岩ちゃんも松っつんもマッキーは各々のスキルでスムーズに築城を進めるための役割に徹する。
そうすることで及川もまたできることが増え、それらが循環してお城が上へ上へと建てられていく的な…上手く言えないんですけど。
個の役割を生かすために全体があるのが音駒なら、青葉城西は全体の役割を生かすために個の役割があるという感じでしょうか。
私が思っているのは、そんな感じです。
いつの間にかできていたその流れにふと気付いて、でも自分の役割に徹することで周りからどう見えていようが俺たちは肩を並べて上を見上げてるんだとマッキーが思っていたら、というか三年全員が思っていたら、嬉しい。
「バレー部って仲良いよね」って言われると、嬉しくないわけじゃないけどそうじゃない感に一抹の気持ち悪さを覚えてほしい。
気に食わないことも、どうかしてるって思うことも、腹が立つことも、呆れることも多いし、今更好きも嫌いもない。
もっと言うなら気が合うなんて思うことは滅多にない。
けど、不思議と一緒に何かするのは楽しい連中なんだよなぁって思っていてほしい。
そんな青葉城西三年を、私は所望する。
結局青葉城西の話しかしてない。

マッキーは、立ち位置が絶妙だろうなと思う。
悪ノリ大好きそうだから、及川の言い出したことに「いいぞーもっとやれー」って野次って煽りつつ、岩ちゃんの堪忍袋の緒が爆発する直前でスッと身を引く感じ。
怒髪天の一撃を華麗にかわす、的な。
空気読むのが上手すぎるタイプ。
だからこそ、時々あえて空気を読まなさそう。
そういう茶目っ気たっぷり且つ飄々とした一番おいしいところをきっちり押さえてそう。
あと、絶対オサレ。
これ絶対。
じゃないとあの短髪できない。
アニキューのパッツンを思い浮かべた輩は、本田が漏れなくしっぺして回ります。
あれじゃない。
あの攻め方じゃない。
私服は多分、青城で一番シャレてる。
次席に国見ちゃんが控えてる。
年相応にエロスへの探求心はあると思う。
でもおっぱいより足派っぽい。
もしくは腰派。
上記を受けて玄人趣味かと思いきや、伸ばされた爪に手入れの行き届いてるザ・女子な指先より丸っこく切り揃えられた素朴な感じが好みだったり、上履きの後ろを踏まずにきちんと履いてるフォルムが好みとか一周回って結局相当マニアックになってるといい。
女子と話してる時、背の高さから無意識に上体を少し屈めて声に耳を傾けるとかしてそう。
女友達からは専ら「それ、逆に話辛いからやめろ」と不評。
しかし一部の女子からはトキメキの入れ食いだと好評。
カノジョに求める要素は気軽さっぽい。
素直に思ったことをズケズケ言い合える相手がいいと思ってたら大変愛おしい。

例:「おいおい、その頭どうしたよ。ボッサボサじゃん。寝坊してもそれはねーわ」とケラケラ笑いながらおちょくり倒してかーらーのー、「可愛いのが台無しになってんぞ」ってぐしゃぐしゃ遠慮なく頭を撫で回す、的な。素直に思ったこと言って結果トキメキ殺戮焼け野が原。

あと、さらっとノロケそう。
あまりのさらっとっぷりに周囲は後々『あれ…何かめっちゃあいつノロケてなかった?』となるとか最高かよ。
ほんっと、色眼鏡ってこわいですね。




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