少し早口で、いつも胸元の開いた服を着て、ない胸を必死に強調させる、如何にも馬鹿そうなニュースキャスターは確か、今日の天気を晴れだと言った。

「これの何処が晴れだよ」

水分を多く含み、泥濘んだ地面を蹴り近くに聳える木へと飛び移る。白いブーツに小さく泥が撥ね、小さく舌打ちをした。雨になると分かっていればスクアーロにでも任務を押し付けたというのに。そう、独り言ちたところで雨があがる訳でもなく。任務完了の手土産とともに、本部への足取りを早めた。

「ボス、報告書」

疲れた。怠い。風呂。早く寝たい。あ、飯。食いっぱぐれてる。頭を占めるものはそんなしょうもないことばかりで、報告書をボスに渡すだけ渡してそそくさとその場を後にした。一歩、また一歩と足を進めるたびに苛立ちが募った。顔に張り付く髪だとか、泥で汚れたブーツだとか、水を吸ったせいで重くなったコートだとか、全てがムカついた。遠くから聞こえるスクアーロのただうるさいだけの声がそれを増長させる。雨は、いまだ降り続けている。



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