「な、どうしたんだよ獄寺」
「獄寺、くん?」
沈黙を破ったのは山本とツナだった。
隼人の言葉を理解したのかしていないのか、2人とも顔が真っ青だった。私も私で驚きを隠せないまま隼人を見上げる。

「バカはてめぇらだって言ったんです。」

隼人の目ははっきりとツナたちを見据える。その言葉にツナが言い返す。

「なんで、なんでだよ獄寺くん、そいつは怜華ちゃんを傷付けたんだ。なのに、」

なんで庇うんだって言ったツナの目は殺気に満ちていた。

「残念です。10代目。貴方は気づいてくださると信じてた。ですがこれから貴方は俺の、なまえの敵です。」

その言葉に山本は間髪入れずに口を挟む。

「獄寺、俺らを裏切るっていうのか…!」
「はっ裏切ってなんかいねぇよ、野球バカ。俺はなまえを信じただけだ。」
「な…!」

それだけ言うと隼人は私の手を握りなおして窓側の席へと向かう。
そのとき幽かに大丈夫だから安心しろって隼人の声が上から聴こえて自然と頬が緩んだ。








貴方の存在に救われた。





(教室の居心地の悪さがどこかに吹っ飛んでいった。)
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