放心状態で空を眺めつづけると、遠くのほうで予鈴の音が聞こえたふらふらと覚束ない脚を叱咤して教室に向かう。教室にはツナやみんながいる。怜華ちゃんのことを話そう。そう思って足取りを速めた私がバカだったんだ。

ガラッと教室の扉を開けると静まる教室内。それだけじゃなく、みんな私を睨んでくる。

「…な、に?みんな、どうし「どうしたじゃないよ」ツナ?」

ふと、ツナから視線を外すと泣きじゃくる怜華ちゃんがいた。泣きたいのは、私のほうなのに、な。

「みよじテメェ…、怜華の腕切りつけたらしいな」

タバコをくわえながらゆっくりと私に近寄る隼人。屋上にいるときとは違って思考がこれでもかってほど働く。

嗚呼、私はワルモノか

さながら怜華ちゃんは悲劇のヒロイン。
あぁ、なんだか笑える

「みんなが信じるならそうなんじゃない」

悲しいや、隼人は転校してからだけど、ツナは小学校からの付き合いなのに、1ヶ月しか付き合いのない子を信じるんだね。そっか、

「信じたからには、最後まで信じきりなよ」

泣きそうになるのを堪えて、鞄を手につかみ教室を後にする。

教室を出た瞬間、涙が溢れた。それに気づかないフリをして、走る。

走り出した先は近くの公園だった。








ワルモノはとても悲しそうに笑った。








(「最後まで信じきりなよ」そう言ったなまえの顔はとても悲しそうで、)
(なのに俺は、本当に信じるものを見失ってしまった。)
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