今私は屋上にいる。それで目の前には1ヶ月前に転校してきた、崎本怜華ちゃん。怜華ちゃんは可愛くて優しくて、私を含めてクラスのみんなに好かれてる。
でも今日の怜華ちゃんはいつもの優しい笑顔じゃなくて、とても冷たい顔をしていた。
「…どうしたの?怜華ちゃん」
私がそう問うと、怜華ちゃんは鼻で笑ってから
「私あんたのこと嫌いだったのよね」
そう言った。
時が止まった気がした。
「……え?」
「分かんない?あんたのことが嫌いだって言ってんの」
今度はさっきよりもはっきりと嫌いだと言った。嘘だと言う前に怜華ちゃんが口を開く。
「だからちょっと苦しんでもらうから」
そう告げて怜華ちゃんは屋上を出て行った。
頭では訳が分からないと思う反面、体は怜華ちゃんの言葉を理解したのかすごく震える。
「なんで?どうして?」
私の言葉だけが、憎いほど青い空に溶けていった。
始まりは、君の一言。
(今まで私に向けていたあの笑顔は、偽りだったのかな、ねえ。怜華ちゃん?)