骸雲 | ナノ

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- Hey Dad -


骸:父
雲:息子


















「ん………。」

「恭弥、やめなさいこんな………。」

「なに?」

「服を着て勉強しなさい。」

「…………嫌だね。」


父さんだって本当は僕とこういうことするのが好きなくせに、最近は何かと拒まれる。僕は何日も父さんに触れられてないから、早く抱かれたくて仕方ない。
制服のシャツのボタンを全部外して、ベルトも外して、ズボンのファスナーを下ろそうとすると父さんがその手を掴み、僕にもう一度服を着せる。


「なんでしてくれないの?前はあんなにも……。」

「僕は君の父親です。君を立派な人間にする義務があります。」


今さら何を言い出すのやら。もうそんなのとっくに手遅れだというのに。僕がまだ退学処分されていないことすら奇跡なのに。今まで散々僕がしてきた数々の悪事に対して無関心だったくせに何を今さら。


「父さんだって何人もの女や男を抱いたり、僕みたいに汚いことして稼いだり、一緒じゃないか。」

「だからこそ……!」


父さんは僕の胸ぐらを掴み、僕を壁に叩きつけた。背中に痛みがじわりと広がる。僕は父さんの見開いた目を見て興奮した。


「君には立派な人間になってほしいんです……。」


父さんは僕から手を離し、その場に力なく座り込んだ。上から見た父さんはどこか僕に似ている気がした。同じ匂いがする。親子だから当たり前なのかもしれないが。
僕はさっき父さんに着せられたシャツを力任せに引き裂き、父さんの元にしゃがんでキスマークがたくさん付いている上半身を見せつけた。


「父さんが僕をこんなふうに育てたんじゃないか。この跡だって父さんがつけたんじゃないか。」


父さんは僕の体中にある赤い跡を撫でた。父さんは泣いていた。僕はなぜ父さんが泣いているのかよく分からなかった。


「結局、父さんみたいな人間の子供は同じように父さんみたいな人生を歩むんだよ。」


僕はベッドの上にあった上着を羽織って部屋から出ていった。一体、父さんはどんな顔をして部屋から出ていく僕の背中を見つめていたのだろうか。


















10/7/23

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