ふたりの愛しい日曜日




ソファの上で寝転がりながらテレビを見ている名前の肩をつかんで持ち上げる。そのまま自分の股の間に置いて、名前の首筋に自分の額をくっつける。くすぐったそうに身をよじる名前が、ケラケラとわらいながら、俺の髪やうなじ、耳をいじくり回す。俺の肌を撫でる指先があんまり細くて弱々しかったから、ぞわぞわと自分の背筋が粟立つのをかんじる。有り体にいえば興奮した。

「名前、舌貸せ」
「ん」

自分のマスクを少し上にずらし、バカみたいな顔で口を開けた名前の舌を舐める。お互いの顔をはなしたときに、口元が少しばかり赤くなっていたのは、まあいつものことだ。それに、俺のも混じってるんだからおあいこだ。

「心くんのケダモノ」
「理性なかったら食いちぎってる」
「わたしは心くんと違って痛覚あるの忘れないでね」

名前が血だらけの口を、俺のシャツの裾で拭う。本来の色を取り戻した名前の唇に、赤い線が浮かび上がる。思わず舌を伸ばそうとした俺の顔面に、名前の煙がぶつけられる。それを無視して名前の右肩に食らいつくと、名前は引きつったような笑い声を出した。

「いみわかんな!」
「何がだよ」
「心くん、わたしに好かれたいの?嫌われたいの?」
「どっちでもいいよそんなん」

嫌がってる女の子に力づくって、ちょっと犯罪的だと思うけど?なんてニヤニヤわらう名前が、煽るように俺の腹を足の裏で押す。
どんなに暴れようが、魔法をぶつけてこようが、お互いに血塗れになろうが、名前が俺を嫌がってないのなんて考えなくてもわかる。

「お互い死ななきゃセーフだ、セーフ」
「さいて〜!」
「本気で嫌なら首吊って死んどけ」

狂ったようにわらう名前が、生きてこうして俺の前にいるなら、他のことなんか気にするほどのことじゃあないだろう。好きな女が息をしている以上の幸福なんてありはしない。俺の本心からのセリフに、名前はむせながらひっくり返って笑うのだった。


(まともっぽいこと言うの面白すぎるからやめて)




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