口出しするならキスもして




※幼馴染設定なのでお互いタメ口

癖って、別にやろうとおもってやるものじゃないから癖だとおもうんだよね。わざとじゃないんだよ。気付いたらやっちゃうんだよ、いや止められないっていうか、やっててもそれを認識できないんだよね?

「じゃあ俺のこれも癖で」

わたしのはなし聞いてくれてた?と声に出す前に、マンドリカルドの腕がのびてくる。両手で相手の頭を鷲掴みにするの、どこで覚えてきたのかしらないけど、他の女の子にやる前に矯正してあげた方がいいのだろうか。

「っも、いいでしょ」
「まだ味する」

味が欲しいなら、わたしの口の中じゃなくて飴でも舐めれば!?鉄の味が好きなら100円、いや500円くらいならあげるよ。釘とかでもいいんじゃないかな。舐めたことないけど。
喉の奥まで舌を伸ばしてくるマンドリカルドは、しつこいくせにこちらに配慮をしないという最悪の男なので、自分の気管は自分で守るしかない。そして、この男はわたしが咽せようが、舌を噛もうが、髪を引っ張ろうが、微動だにしないと経験上理解してしまっているので、結局できるのは自分の悪癖をなおすことだけなのだ。まあむかつくので髪を引っ張るのはやめないですけどね?死ね。

「ん、血止まった」
「っ......は?なんか他に言うことあるでしょ?」
「口ん中噛む癖なおせよ」
「悪びれないよねえ〜」

不思議そうな表情のマンドリカルドが自分の袖で口を拭っている。汚いからティッシュで拭きなよ、という気持ちを込めてティッシュボックスを投げつけるが、キャッチをしてそのまま机の上に置いたマンドリカルドに伝わっている気がしない。

「もう犬じゃん。9割くらい犬じゃん。首輪つけてるし」
「残り1割は?」
「ワンって言わないから」
「わん」
「はい犬〜!わんちゃんなら口舐めるのも仕方ないのかな!?」
「え、なに俺、犬と間接キスしてたの?」
「こういうのはキスっていわない」

わたしの言葉に不服そうな表情をするのはやめてほしい。いやお互いの頭みればわかるでしょ。なんでキスで髪の毛がボサボサになんなきゃいけないんだよ。どこの風習だよ。

「どんなんならキスになんの?」
「そりゃあ、いや、ええ?口と口をくっつけたら?」
「じゃあキスだろ」
「恋人じゃないからちがう」
「え、キスしたら恋人だろ」
「いやだからさ、ん?」

なんかちょっとおかしくない?その理屈だと、わたしたちは恋人ということにならない?

「こ、告白されてない」
「キスするとか告白みたいなもんだろ!?」
「キスはそんな万能じゃない!告白は必須だよ!」
「やりゃあいいんだろ!」

というわけで、人生で初めて恋人ができた。わー......あの.......恋人なら一個言ってもいいかな?キスのやり方をもうちょっと勉強してきてくれる?


(お互いの髪の毛つかんでるの、パッと見レイプだからね)




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