それってたぶん永遠




「まけたぁあああア......」
「な、なんかすまん」

わたしのポケモンはがんばってくれた、急所も2回だしてくれた、でも負けた。6対1で見事に負けた。ダンデくんのポケモンの体力どうなってんの?ぜんぜん削れない。バグだ。チートだ。

「ううう」
「名前〜名前もつよかったぞ」
「やだ......かちたい......なんでもいいからダンデくんに勝ちたい......」
「あっ!じゃんけん!じゃんけんしよう!」
「する!!!!!」

わたしはこの勝負に全てを賭けていた。なにをしても勝つ。そう、何をしてもだ!!!!!
というわけで、最初にパーを出したら負けた。

「ナンデ!??!?!?!」
「い、いや、勝たせてやろうかと......」
「本気でやって!!!!!1」
「すまん」

そのあと10回やって10回負けた。ダンデくんのバカ!!!エスパータイプ!!!!!!

「ダンデくんは弱点ないの?わたしにだけ弱み隠してない?」
「強いて言うなら名前が弱みだぜ」
「わたしは真面目なはなしをしてるの」
「真面目なんだけどな......」

というわけで、情報収集をするために、キバナくんに電話したら鼻で笑われた。役に立たない男と電話するのはやめて、ダンデくんの一番のファン、そう、ホップくんにしたら極秘情報を教えてもらえた。たよりになる〜!勝ったら教えてくれよ!ってホップくんやさしい......すき......

「なるほど方向音痴か。じゃあワイルドエリアを」
「それはダメだ」
「かけっこ」
「いや......ちょっと無理があると思うぞ......」
「かくれんぼ!これだ!」

じゃあ3時間経ったら捕まえにきてね、といったら呆れた顔をしていたけれど、わたしはそらとぶタクシーを使う気まんまんなので......ここから一番遠い場所までいくから......なぜって勝ちたいので......勝てばよかろうなのだ!フハハハハ!!!

「キーバナくーん」
「なに?おれサマはお前と違って忙しいんだけど」
「部屋の中入れて」
「いや......お前はちょっとナシかな......」
「わたしだってナシだわ。いまダンデくんとかくれんぼしてるから、タンスとかない?」
「ほーんなるほどね、だからおれサマか」
「うん、わたしたちって仲わるいじゃん?」
「いいぜ入りな!」
「いえーい」

キバナくんの部屋のクローゼットがでかすぎてちょっと引いた。こんなに洋服いらないでしょ。何百年生きるつもりだよ。でも余計なこと言って追い出されたらいやなので黙っておく。
クローゼットの扉を内側から閉めて、ロトムを確認したら、まだ1時間しか経っていない。3時間はちょっとやりすぎだったなあ、と思いつつ、騒ぐわけにもいかないので、静かに座っていることにした。



「あれ」
「ん、お腹へってないか?」
「へってる......」
「ちょっと待ってろよ」

ぼんやりしたまま、また目を閉じて、もう一回開けて、眠かったので、肩までかかっていたダンデくんのマントを、頭の上までひっぱる。分厚いマントは、全く光を通さないし、あったかいしで、とても眠気を誘う。うとうとしていたら、マントが外からめくられる。

「まぶしい......」
「夜ごはんどうする?」
「いらないし......」
「しょうがないな、明日の朝はいっぱい食べるんだぞ」
「まぶしいいい」
「はいはい」

再度マントを頭までかぶって、そのまま眠りについた。


朝起きて、ダンデくんの部屋だなあ、と確認して、わたしは全てを察した。

「まけた..............」
「おはよう」
「おはよう..........」
「そんなに落ちこむなって」

やはりキバナくんなんて頼るべきではなかった。どうせ今度バトルするとかの約束で、売られたにちがいない。

「人に聞くのはずるじゃない?」
「いや、聞いてはないぞ。自力でみつけた」
「うそだあああ」
「名前の居場所は誰に教えてもらわなくてもわかるよ」
「なんで?」
「チャンピオンだからな!」
「チャンピオンってすごーい......」

はーーーまけた、まけたが、わたしはダンデくんに勝つまで、絶対にあきらめないからな!!!!


(お互いに無自覚)




感想はこちら



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -