君の本命に立候補します
「はいミスタ、ハッピーバレンタイン」
「は?え?え?マジで?おれ?」
「どんだけ挙動不審だよ」
「名前お前オレのこと好きだったの?」
「義理チョコだよ!!!!!」
日本のバレンタインの概要を説明したら、イタリアでそんなことしたら100パー勘違いされるからやめとけ、と説教をされてしまった。えーじゃあこの大量のチョコをどうすればいいんだ。
「僕にはくれないんですか?」
「あっジョルノくん、聞いてたの?」
「ええ、名前さんのことを探していたので。盗み聞きするつもりはなかったんですが」
「話聞いてたんならいいや。はい、チョコあげる」
「本当にいいんですか?」
「え?なにが?」
「僕に、勘違いしてほしいって、そういうことでいいんですか?」
言われた言葉の意味を数秒、考える。勘違いを?えっと?
「いやいやいやいやいや、意味わかってるんだよね???聞いてたんだよね???」
「名前さんこそ、意味をわかったうえで、このチョコレート、僕にくれたんですよね?」
「いやあの、えっ」
いつのまにチョコを......あれっというか残りのチョコはどこいった???気づけばわたしの鞄の中はお花だらけになっている。混乱するわたしを見て、笑みを深くしたジョルノくんが顔を近づけてくる。
「Felice San Valentino、名前さん」
「え?ええ???」
ちゅ、とほっぺたにキスをされて、自分の顔が赤くなったのがわかる。い、イタリアこわい......
「さて、じゃあ僕はミスタに話があるので」
「あっうん???」
「その花はチョコレートのお返しの代わりです、それでは、チャオ!」
(「お前、恋人がいるならそういっとけよ!ほら!返すから!恋人に謝っとけ!」「ええ〜???」)
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