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フルカスのクリスの言葉に、透輝は緩慢に腕を振った。

「寒いもんは寒いんだよ……」
「透輝ちゃんはやらへんの?てかラン君助けんくてええの?」
「ああうん、ほっといたげて」

遠くから『お前さん!そりゃ無いだろぅぶっ』等と聞こえてくるがスルー。
透輝は先程から欠伸を連発していて、隣でアルバがくすくすと笑っている。

「そろそろ止めないと、全国のグラシャファンに怒られるんじゃない?」
「大丈夫、僕にはアレスがいるから」
「アモン使われたら?」
「…ぴちゅられる」

がっくりと項垂れた透輝が「おーい、そろそろやめてやれー」と力無く呼び掛けると、ランに雪をくっつけ雪像を作ろうとしていたリジーとルカが渋々離れ、スピネルが掘り起こしてあげている。
ようやく解放されたランはこれ以上弄られては堪らないと思ったか、そそくさとSSに戻ってしまった。透輝の懐から、恨みがましい声がぶちぶちと聞こえる。

『……もう少し早く助けてくれたとて、バチは当たらんだろう』
「愛だよ、ラン。僕は君にもっと強くなってもらおうと思ってだね」
『詭弁だ……』









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