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『それーっ!』
『うぷっ』

リジーが投げた雪玉が、ランの顔面にクリティカルヒットする。その隣ではマリーとスピネルがせっせと雪玉を量産し、ルカとクリスがそれに氷柱を仕込んでいく。
アレスとミズは端の方でどうやら雪だるまを作ろうとしていて、ベンチに座ってそれを眺めていた透輝は、手袋をしていない両手に息を吐きかけた。白く色付いた息が真っ赤になった指先にかかり、じんわりとした暖かさが広がる。

「みんな元気だねえ」
「え、透輝さんはやらないの?」
「パスパス。寒いし冷たいし」

しゃがみこみ、ミトンの手袋をはめた手で小さな雪だるまを大量に生産している紫苑が、少しだけ顔を上げて問いかける。
紫苑の方へ目を向け、顔の前でぱたぱたと手を振りながら答えた透輝は、もう一度デビルたちの方を見た。変わらずにランが集中放火を受けているらしい。
それに爆笑しているルカが、仮面の下、視線を透輝に向けた。

『マスターも混ざったらどうだ?』
「やだっつってんじゃん。寒いんだよ」
『それだけ着込んでてまだ寒がる訳?』








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