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「……あれ、ラン。アレスは?」
『アレスはここだよ、お前さんに渡すものがあるんだそうだ』


ランブルに背中を押され、アレスがふよふよと透輝の前に浮かぶ。
闇の太陽の名を冠するデビルは、胸に抱き締めていた包みを透輝に差し出した。


『……これ、あの……うまく出来たか、わからないんですけど』
「開けていい?」


薄桃色の頭が縦に振られたことを確認して、透輝は水色の包装紙を行儀悪くびりびりと破きながら開ける。
中から出てきたのは、


「………セーター……?」
『……はい、あの、』
「……嬉しい!すっごく嬉しいよアレス!」


叫んだ透輝は、思い切りアレスを抱き締める。
調子に乗って頬擦りまでしだした透輝に一発蹴りをくれて、マリーが窓の外を指差す。


『見ろ、あるじ。雪だ』
「げほっ、絶妙に入ったよマリー……え、何々?雪?」
『ホントだー!』
『ほう……珍しいな、この時期に降るとは』
「あ、そうなんだ」
『大抵はもっと冬が深まってからですよ』


全員で窓に張り付き、やや結露のついたそれ越しに空から降る白を見る。
そんな彼らの背中を、美味しそうなご馳走だけが見ていた。












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