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「そう!今朝起きたらなんか『マスター、ジャマ!』とか『俺たちが呼びに行くまで帰ってくるなよ』とか言われてさ!デビルみんな部屋だし、しょうがないから塔のぼって、疲れたから部屋に帰りたかったんだけど入れてもらえなくて、仕方無いからここに来たんだ」
「お、おおぅ……お疲れ様です……」


ひどいや……と呟きながら、心無しか赤く染まっているように見える涙を流す透輝。
その荒みように他のアナザーが反応に困っていると、デビルが一体壁抜けをして入ってきた。


「うわびっくりした」
『……ゴメンナサイ。マスター、イる?』
「あ、ああ。そこで荒んでる」


透は、若干引きながら透輝を親指で指す。
ラウムはふよふよと宙を浮かびながら透輝に近寄ると、人差し指を構えた。


『……えい、ツムジだ』
「うわっちょ、やめ!禿げる!……って、なに?」
『ムカエに来た、よ?』


ミズが言った瞬間、溜め息製造機はバネ仕掛けの人形のように飛び起きた。
先程まで血の涙を流していたのが嘘のような晴れ晴れとした笑顔で、


「話に付き合ってくれてありがとね!それじゃ、僕は勝ち組になってくる!」
「禿げろ!」
「しね!」
「裏切り者には罰を!」
「爆発しろ!」










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