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「今日も美味そうだ。いただきます」

きちんと挨拶をして、トーストに本日のジャム(オレンジマーマレード)をたっぷり乗せる透輝。
机に置かれたSSの中からそれを見たアレスは、呆れて溜め息を吐いた。

『…乗せすぎでは?』
「ほーふぁ?ほふふぁほへふはひは、」
『………飲み込んでからで良いです』

もぐもぐごくん。
ミルクティーで口に入れたトーストを流し込んだ透輝は、一息置いてSSに話し掛ける。

「僕は、これくらい乗せるのが好きなんだ」
『……そうですか』

最早小言を言うのも疲れたか、アレスは溜め息と共に一言だけ口にする。
それに満足げに頷いた透輝は、今度はベーコンエッグを一口食べた。

『……今日のは、暇潰しバトルですか?』
「んー、………、解放しときたいSSが一個あるんだ。取り敢えずはその為かなぁ」

フォークを口にくわえたまま、というなんとも行儀の悪い格好で思案して、一応の結論を出す。

フルーツヨーグルトまで綺麗に完食した透輝は、空になった皿を兎に渡しラウンジを出た。
懐にSSが入っていることを確認し、真っ直ぐ向かうのは城の外へ出るための魔方陣。
黄色く光る魔方陣に乗った透輝は、転送先を口にした。

「………≪贖罪の塔≫へ!」









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