【僕達の遅れてきた初恋物語。】 






第一話

2013/10/14 14:12





僕達、漫画家というものはかなり忙しく締め切りの追われることが多く中々休みなど取ることなど到底不可能。



彼女なんて作る暇など無論ない……万年彼女なしの【童貞】だ!!



そして、僕の場合作業が遅いのでアシスタントさんには住み込みで働きに来てもらっている。
さらに今回、また新しい新連載が新しい雑誌で増えるなんて鬼畜なことを言うじゃないか
……これじゃアシスタントが足りないということで僕はアシスタントを募集した。
そんなアシスタントが今日は来る日だ!!

「これベタ塗りしといてくれない?」
「1ページ丸々ですか?」
「あぁー」
「せんせー疲れてるんじゃないですか?」
「本当ですか?!肩揉みましょうか?」
「じゃあ私が足を!」
「いらない!漫画に集中させてくれ!!」
 
 僕のアシスタントは少し変で構いっ娘体質でいつもいつも俺に構ってくるおかげで余計に仕事がはかどらなくなってしまった・・・・・・・。

それもこれも僕の顔とこの漫画家と言う地位のせいなのだろう昔から顔はイケメンだったのだが恋とかそういうものに興味が無く漫画にしか目が行かず告白など断ったら童貞のまま三十歳を迎えてしまったのだ‥……。

「あっ!今日新しいアシスタント呼んだから教えてあげてねー」
「えーせんせー私たちの事が嫌いになったんですかー?」
「違うわ!お前らがちゃんと働かないからだろ?」
「そんなことないですよー」

そう、アシスタントたちと口論している間に玄関からチャイムの音が聞こえた。

(ピーンポーン)
「はーい!」

僕は、そう言いアシスタントたちを押しのけ玄関に向かい扉を開けるとそこには少し物静かな女性が立っていた。
僕はその女の人を見た瞬間、僕の頭の中に眠っていた僕がずーっと30年間忘れていた遠い初恋の記憶を呼び起こした。

「春日江さん?」
「へ?」
「‥…はぁ///違いますよね‥…すいません!!少し似ていたもので…」

僕は少し恥ずかしそうに謝りながら彼女に言い訳をした。
すると彼女は何事にも動じず自己紹介をし出した。

「はぁ‥…今日からお世話になります?村凜乃(ゆきむらりの)です。」
「よろしくです。ここの漫画家大津川明俊(おおつがわあきとし)こと井川翔(いがわしょう)です。」
「あ!よ…・よろしくお願いします!!先生だったんですね!!」
「まぁ‥・・・一応」

僕は頭の後ろを掻きながら照れていると彼女から余計なひと言が出てきた。

「変な人かと思っちゃいました・・・・・」
「ごめんなさい・・・・・・・」

僕は思わず咄嗟にさっきの事を思い出し謝った。

「じゃー僕は作業に戻るから後の事はアシスタントたちに教えてもらっていい?」
「はーい。アシスタントの零崎窓(れいざきまど)ですよろしく。」
「了解です。福武蘭(ふくたけらん)ですよろしく。」
「ガッテンです。庄上路咲(ふくたけさき)ですよろしく。」

そういいアシスタントの三人は彼女の両腕を二人でつかみ一人が案内する形となっていたそれを見た僕は小さく呟くようにこういった。

「おい・・・・・まるで拘束じゃねーか・・・・・・・」

そうしながらアシスタントたちは僕の部屋と彼女の寝るお部屋の説明仕事場の説明を終え仕事場に戻ってきてアシスタント業の仕事の説明をしていた。
すると、凜乃が疲れてそうだったのでアシスタントたちに少し休憩を言い渡した。

「少し休憩にするか??村さんも疲れただろ?そんなにいっぺんに覚えられないし……

徐々に覚える感じでいいよ。」
僕はそう凜乃に伝え凜乃にマスカットティーを差し出すとアシスタントたちに怒られた。

「あぁーずるーいー!!」
「まぁー新しい人だから今回だけ許してあげましょうよー」
「咲のと窓姉のは僕が代わりに入れてあげるよー」

そう言い台所に三人のアシスタントは向かうと仕事場に凜乃と僕の二人が残ってしまった……。
僕は気まずくなったため自分の席に戻り仕事を進めようとしたが……仕事が進まず後ろで静かに紅茶を飲む凜乃の事がとても気になっていた。
すると、突然凜乃に呼ばれ僕は机をバンッ!と叩き立ち上がった。

「ひゃぁいぃ!!」
「先生、このマスカットティー美味しいですね。どこのですか?」

僕は予想外の質問に少しこけそうになったがゆっくりと紅茶を飲みながら待つこの昼下がりの奥様の様な落ちつき様は僕に鎌をかけている訳でもなく本気で紅茶が美味しくて売っている場所を僕に聞いてるだけだと思い動揺を抑え彼女の質問の答えに答えた。

「これは、駅前のアンカドーレと言う紅茶とケーキの美味しいお店だよ」
「へー明日にでも見に行ってみます!」

そう僕に笑いかけ飲み終わったコップを持ちながら台所に走っていった。
そんな彼女を見て翔の中で翔が昔に感じた事がある様な気がする感情が翔の心の中で芽生え始めた。



「俺、一瞬ドキッとした‥………そっか、これが恋の始まりなのか‥……」





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