拾肆


 わんと聞こえてきた声に太宰は足を止めた。
 大きな犬の姿が視界の中に収まる。白い毛並みの犬にふっと別の姿の犬が重なる。犬と言うには少し奇妙な形をしていた彼ら。おさもりと呼ぶ声は何時だって優しくて好きだった。あんたは本当にすみこに似ているね。あの子のことはわたしでも良く分かんないけど……あんたのこともそうなっちゃうのかね。わたしあんたのことは気に入っているだけどね。
 柔らかな毛をブラッシングしている途中に言われた言葉。あんたはすみこみたいになるんじゃないよと口癖のように口にしていた。すみこも悪い子じゃないんだろうけどね。でもねぇ……。何だか近付きがたいと言うか寂しそうじゃないか。あんたはさ、そうはなっちゃダメだよ。
 ふわふわと浮かんでいた体。ぽんぽんと小さな手が太宰の頭を撫でた感触。
 懐かしい思いで。思い出すと同時に黒い影がもやもやと浮かんでくる。大きな牙。大きな爪。体を切り裂く……。
 ふるりと肩が震える。思い出さないように記憶を奥に押し戻そうとした時、太宰の肩に大きな手がおかれた。引き寄せられ後ろに押される。
「太宰」
 低い声が聞こえてくるのにあっと小さな声が太宰から漏れ出た。
 視界の中一杯に銀灰と緑の後ろ姿が写り込んできて……。庇われているのだと気付いた。ふふと口許に笑みが浮かぶ。
「大丈夫ですよ。怖いわけではないですから」
「だが」
 柔らかに笑いかけても福沢は心配そうに太宰を見ていた。
「本当に考えことをしていただけで」
 脳裏に浮かぶのは白い犬。斑尾と呼ばれた太宰の家にいるあやかし。
「あんた本当に大人しいね」
 何時だったか本を呼んでいる太宰に唐突に問われた問い。きょとんと太宰は首を傾けて白い毛並みの犬を見つめた。ぼやぼやとした記憶のなか。ふわふわと宙に浮かぶ獣。斑尾
「たまには泣いたりしてもいいんだよ」
「泣く? どうして?」
 ほら、えーんえんと泣き真似をする斑尾に太宰はますます分からなくなって首を傾ける角度が深くなった。じいと見つめるのに斑尾は小さな前足を人間が肩を竦めるように前にやっていた。呆れた目が見つめてくる。
「そしたらしげぼうやすみこ何かが構ってくれるだろう」
「そうなの?」
「そうさ。泣いてみなよ」
 ふーんと太宰は話す。そうなんだと呟いた太宰は斑尾を見上げたまま固まって暫く何も言わなかった。凍りついたような表情筋。そこからは考えているのかそれとも会話を終わらせてしまったのかしら分からなかった。ふよふよと漂う斑尾はふわりふわりと宙を浮かんで移動して太宰の様子を見た。ぼんやりと瞳が斑尾を追いかける。
「……いいよ」
 何十分かたってようやく聞こえた声にむっと斑尾の目元に皺ができる。人間のように口を尖らせた。
「何でさ。あんただって構ってもらいたいだろ。最近はずっと良守ばかり相手されてさ。寂しいだろ」
 きょとんと瞬きをした太宰が思い浮かべたのはまだ小さな毛もうっすらとしか生えていないような弟の姿。一人で歩けないがはいはいは出来るようになった弟に母や父、お祖父ちゃんも付ききりだった。
 兄である正守や治守はそれまでと違い構ってもらえる時間が減ってしまい。その事だろうと思いながら太宰は首を振る。
「でも良守は小さいから仕方ないよ」
 小さい子は親がずっと見てあげてないと危ないと言うようなことを本で読んだことが太宰にはあった。だからと言うのに全くと斑尾はその白い頬を膨らませる。
「何、遠慮してんのさ。あんたも子供なんだからもっと面倒かけな。正守だって構ってもらおうとしてんだよ。あんた正守よりは年下だろ」
 言われるのに太宰はまた固まる。正守の最近の行動を思い出した。最近の正守は前にもまして修行にせいをだし繁守やすみこにその成果を見てもらおうとしていた。学校の勉強とかも夜遅くまで頑張っていて。あれは構ってもらうためだったんだと太宰はへえと声を出した。何だか倒れそうなほどやってるなと思ってたのがそう言うことだったのだと。
 そしてそうまでして構ってもらいたいものなのだとも考えた。
 じいと固まる太宰は数分してから首を傾ける。
「遠慮は、してないよ? 今で充分満足してるから」
 考えて、考えてそれで太宰はやっと心からの言葉を出せた。寂しいと言う感情が幼い太宰もまたよく分からなかったが、ただそんなものは抱いていないと言うことはできた。強がりでも何でもなく。
「変な子だね」
 金色の目が太宰を見て傾く。本当にいいのかい。寂しくないのかいと聞いてくる声に首を縦に振りながら太宰はまたじっと考え込む。固まって考え込んで、
「……斑尾が遊んでくれるから大丈夫何だよ」
 次はそう言葉にした。斑尾の目が真ん丸に見開いた。
「何処でそんな口説き文句覚えてきたんだい」
「?」
 首が傾くのに斑尾からはため息が落ちる。斑尾の細く白い体が太宰の首にまとわりついた。ふわふわとした毛並みが太宰の首筋に触れる。
「まあ、いいか。じゃあ今日はあんたの傍にいてやることにするかねえ」
「ブラッシングしようか」
 肩に乗る頭。白い毛並みを片手で撫でながらそうだと片手は本を閉じた。斑尾のブラッシングようの櫛がある棚に手を伸ばす。
「良いのかい。気が効くじゃないか。きっともてる男になるよ」
「そうかな」
「そうさ」
 もてるって何だろう。異性に好かれるって事だと思うけどそれになんの意味があるんだろう。こないだ斑尾に聞いても分からなかったし、お爺ちゃんに聞いてもまだ早いって言われたし。早いならもう少ししたら分かるのかな? んーー。そんなことを考えながら口にした言葉だが、そこにはなにも籠っておらず太宰が考え込んでいることすら誰にも解らせなかった。
 つやつやの毛並みを何時ものように太宰の手が櫛をかけた。
「まあ、もうちょっと表情豊かになった方が良いだろうけどさ」
 表情豊かに……笑えばいいのかな。母さんみたいに。
 会話が消える。だけど太宰はそれが嫌だとは思わない。傍にあるぬくもりが暖かかった。
 妖怪の活動時間は基本夜で斑尾もまた夜から目覚めるが、あの頃は少し早く目覚めて烏森に妖怪退治にいくまでの間いつも太宰の傍にいてくれた。そうあるのが当然のように。
 太宰はその事がとても嬉しかった。
 あの頃、理解できなかった気持ちだが思い出して溢れるいとおしさにそうなのだと思えた。太宰は嬉しかった。
 ぽかぽかとした暖かな気持ちが溢れるのに太宰は目の前にある背をぎゅっと抱き締めた。ここが外であると言うことは忘れている
「太宰」
 戸惑った声が聞こえるのに顔をあげた太宰の口許は歪んでいた。悲しいわけでなく溢れてくる幸福な感情に太宰の表情筋が追い付けていなかった。演技ばかりしてきた顔は時々自身の感情が溢れたときにどういう顔を描けばいいか混乱しこうなってしまうのだ。
 その事を知っている福沢はゆっくりと太宰のことを抱き締める。
 きっととても幸せな記憶を思い出したのだ。その記憶が黒に覆われてしまわないようにと。
 腕のなか太宰は暫く白い犬の優しい感触を思い出していた。またいつか触れたいとそんな願いと共に。

∞∞∞

「福沢さん」
 名前を呼び掛けると福沢は優しく笑う。おいでと片腕が太宰に向け広げられて、もう片手は自身の膝の上を叩いていた。ほらと声が聞こえるのに太宰はゆっくりと近付いていく。膝の上に乗り上げぎゅっと抱き着けば太い腕が太宰を抱き締め背をぽんぽんと叩く。
 大きな手から伝わる暖かな感触。すりりと胸元にすり寄るとふわふわと頭を撫でてくれる。ほぅと息を漏らしてぎゅっとさらに近づいていた。
「福沢さん」
 もう一度福沢の名を呼ぶ。
「何だ」
 柔かな声が太宰に降り注ぐ。何か用事かと問いかけるのに答えることはせず太宰はもう一度福沢の名を呼ぶ。
「福沢さん」
「どうしたんだ」
「……福沢さん」
「ん?」
 何度も福沢の名を呼ぶが福沢はその度に柔らかな声を太宰に向けてぽんぽんと撫でる手を少し強くした。どうした。何かあったのか。何でも言ってくれと柔らかな声が聞こえてくる。
「福沢さん」
 もう一度名を呼ぶ。今度はぎゅっと抱き締められて。
「どうした。甘えただな」
 柔らかな声が降り注ぐ。頭を撫でながらんと細められた優しい目が太宰を見る。他ではお目にかかることのできない太宰にだけ向けられる優しい顔。
「駄目ですか」
 ことりと首を傾けて問い掛ける。問い掛けたものの駄目だと言われるとは思っていなかった。その通りに福沢は優しい顔を崩すことをしない。
「いや、前に言ったろお前に甘えられるのは好きなのだ」
 もっと甘えてくれといいと頭を撫でるてが頬に触れた。柔らかに頬を撫でて感触を楽しむように耳にも触れていく。
「面倒じゃないです?」
「面倒など思うわけがないだろう。……可愛いよ」
 柔らかな声が答えてから、それから少し頬を染めて滅多に言わない言葉を贈ってくれる。細められた目が太宰を見つめるのに口元が柔らかく綻んだ。
「ふふ。……福沢さん」
「どうした」
 名前を呼ぶ。変わりなく答えてくれる。
「福沢さん」
 どうしたと飽きることなく答えてくれて。抱き締められている腕の中に潜り込んだ。愛しい腕のなか愛してると伝わってくる優しい感触に安心しながら太宰は今なら言えるだろうかと考えた。ずっと言える機会を伺ってきたが中々言うことが出来なかった。言える時間ならばたくさんあったのだが太宰の心がそれを言葉にすることを恐れて口に出来なかった。
 今ならば。
 福沢の腕にくるまれて安心しきり蕩けた今なら言えるだろうか。
 少し身を固くした太宰にどうかしたかと優しい声が落ちてくる。何か不安なことでもあるかと問い掛けてくれる低い声。耳に心地のよい声は安らかに太宰のなかに響く。
 ねえ、福沢さん。
 何だと柔らかな目が太宰に聞いてくる。喉の奥が震える。本当に言っていいのかと悩みながらそれでも言いたいと思って……。
「私に家族がいたなんて話したら笑いますか?」
 震えた声が出た。そんなわけないと思いながらももし笑われてしまえば……。そんなことを思った。そのあとの事も考え色んな恐怖が渦巻いていくのに福沢のキョトンとした声が届いた。
「何故? 何故笑う」
 キョトンと何を言われているのだろうと驚いたような顔をした福沢が目にはいる。間抜けな顔をさらす福沢に太宰も同じような顔をしてしまう。
「だっておかしくないですか」
 小さな声が言う。家族と言う言葉が誰より似合わない男だと言うことを太宰は自身で分かっていて……、だから……。それなのに福沢は変わらず不思議そうな目を太宰に向け続ける。
「そんなことはないだろう」
 嘘偽りない言葉が太宰に向けられる。
それに瞬いて太宰はじゃあと、口を開いた。次の言葉を口にするのに悩む。本当に言っていいのか。もし受け入れられてしまえばまた諦めるなんて無理になる。でも……
 悩むのに太宰と福沢に名前を呼ばれた。ただ優しい目が太宰を見ている。どうした。何かあるのか、何でも言ってくれと声にされてもないのにそんな言葉か聞こえてくる気がして。
 ごくりと唾を飲み込んだ。震える声が出る
「私が家族に会いたいなんて言ったら笑いますか?」
「笑うわけないだろう」
「どうしてです?」
 予想していたのと変わらぬ声が聞こえるのに太宰の目は見開く。福沢ならそう答えてくれると分かっていて、でも信じることはできていなかった。どうしてと思わず問いかけてしまうのに銀灰の目が真っ直ぐに太宰に向けられる。
「逆に私の方がどうしてと聞きたい。何故お前の願いを笑うと思うのだ」
 笑うわけないだろう。福沢の言葉にだってと太宰は口にした。強い声。見つめられる目が強くて腕のなかに隠れてしまう。
「だって絶対変じゃないですか。私ですよ」
「変な訳がないだろう」
「……どうして」
 小さな声が言う。それに対する福沢の言葉は柔らかだった。太宰の髪を福沢の手がすいていく。
「家族を大切に思うのは普通のことだろう」
 ごく当たり前に口にされて太宰の目は見開く。柔らかな感触の手にすり寄りながら太宰の唇は震えた。
「でも」
「お前にだって大切な家族や大切な人がいても何らおかしくはない。お前は優しいこだからな」
 私なんですよ。私はとなにを言おうとしているのかも分からぬままに開こうとした口はすぐに閉ざされた。その前に福沢の言葉が聞こえてきて太宰のめがきゅぅと、ほそまる。泣いている子供のようにその口許は歪んで。福沢の背に回す腕の力が濃くなった。
「そんなこと言うの貴方だけです。私は誰にも優しくないですよ。ただそんなふりをするのがうまいだけです」
 太宰にとっての真実を口にするけれどそれは容易く覆われてしまう。
「そんなことはない。お前の優しさを私は誰より知っている」
「変な人」
 ふわふわと頭を撫でる手。福沢がそう答えることなんて分かっていたようなものなのにどうしても太宰はそう思ってしまう。何度も言われた言葉。変ではないよ。お前がわからず屋なだけだと何度も思ったことを福沢は今日もやはり思う。いつか分かればいいとその頭ごとぎゅっと抱き締めるのに太宰がほっと息をはく。
「福沢さん」
「どうした」
「ねえ、福沢さん、」
 太宰の弱い声が福沢の名を呼ぶ。抱き締めながら問えばまた太宰は名前を呼んだ。福沢さんと何度も福沢の名前を呼ぶ。答えながら頭を撫でていけば見つめてくる目が色を変える。
 僅かに不安に揺れながら決意を込めた瞳。ごくりと太宰の喉が小さく音をならす
「私には母さんがいたんです。変な話でしょ」
 短い言葉。だけどそれを聞くのに随分な時間が掛かった。途中で止まってしまいながらそれでも口にされた言葉。福沢は抱き締めながらも家族のことを言われたときと同じ言葉を口にする。
「そんなはずないだろう」
 太宰の目元がゆるりとほそまった。
「母さんはね。少し変わった人だったんです。凄く強い人で凄い人だったんですが、その分人とのコミュニケーションが苦手で人の感情の機敏に疎い人でした。母さん自身感情がとても薄くまるで何も感じないような人で。表情もいつも同じ……何処か能面をつけているような人でした。だから良くいろんな人に勘違いされて、色んな人に色々言われてました。何処吹く風でしたが」
 母の話をすると自然と母の姿が浮かぶ。ぼやけた姿。顔もよく覚えていないでもその顔に浮かんでいた表情がうっすらとした笑みであったことは覚えている。福沢も同じ人を思い浮かべる。薄い笑みを浮かべる美しい女は何を考えているのか分からず話すのに苦労したものだった。
「私はね母さんに良くにていたんですよ」
 思い出す人影。懐かしく思いながら話す
「今はそうは思えないかもしれませんが昔はとても良く似ていて私も母さんと一緒で能面のような顔をしていました」
そんなことはない。そうだったと分かる。今のお前もそうではないか。そんな言葉を福沢は飲み込む。半分ほど肩に隠れたすべてを見ることが出来ないが今の太宰は何も感じないような静かな表情をしていた。福沢といるとき時々太宰はこんな顔を見せる。面倒なものをすべて捨ててきたような何もない顔。口許にだけ僅かに笑みらしきものを浮かべているがそれすらも静かさを際立たせるものにしかならない。
 これが太宰の素の顔だった。
 何時も感情豊かにその顔はくるくると変わるがそれは演技で本当の太宰はとても、風の吹かぬ湖畔のように静かだった。感情豊かなその内面もまた無理矢理抉じ開けられたものでしかなく、きっと本当はその顔と同じもしくはそれ以上に静かだったのだろう。
 それは多分己を守るためだった。天才と言うものに向く人の言葉は時に残酷なまでに冷たく鋭いものがある。その刃で傷付かぬように。乱歩もそうだ。乱歩は感情豊かにも見えるが自分と関係ないものには驚くほど冷たく、そして彼らに何を言われようと傷付くことがない。彼らのことを何とも思っていないから。自分の外のものに対して乱歩はその感情の一切を向けない。福沢と出会った頃こそ保護されていた世界から突然放り出され予期しなかった荒波に揉まれたせいで傷付いていたものだが、自我を強く持った彼は今や外部の言葉で傷つくことはないだろう。
 天才と言うものはそうやって己を守っている。
 だから太宰も。きっと妖に襲われずあの家でずっと暮らしていたなら何も変わらずにいられたのだろう。ふわふわと癖の強い蓬髪を撫でる。 
「母さんはね、そんな私を良く心配していました。いつか一人になるんじゃないかって」
 感情が薄いのは天才を守るための防衛本能だがそれが天才を傷つけるものとなりうることもある。自分の興味がないもの外に対して反応を示さない彼らを気味悪く思い切りはなそうとするもの。理解できずに人が離れていくこともある。幾ら感情が薄くできていても彼らは強いわけではなく、傍に誰もいない孤独に耐えられるわけではない。天才はむしろ普通の人より寂しがり屋だ。墨村の家であれば太宰を見捨てることはないだろうが、でも内だけでは駄目だ。生まれてからうちにいる家族だけでは埋められぬものと言うものも確かにあって……。
「だから母さんは、私に良く言い聞かせてくれたんです」
「支えてくれる人を見付けなさい。そしたら大丈夫だからって。ねえ、福沢さん、福沢さんは私を支えてくれますよね」
褪赭の瞳が福沢を見上げた。瞳に移る福沢はゆらゆらと揺れていて……。
「お前はどう思う」
 支えてやる。その言葉を口にすることは簡単だ。福沢はいつだって思っている。ずっと太宰を支えていこうと。悲しむことや苦しむことが少なくすむように。笑っていきていけるように。だけど今その答えを出さなくてはいけないのは太宰自身だった。途方にくれたような顔を一瞬浮かべながら、ぎゅっと福沢に抱き付いてくる力が増えた。ぎゅううと痛いほどの力に頭を撫でる手に力がこもる。
「支えてくれます。貴方だもの。きっと。そうでしょ」
 僅かに震えた声。抱き付いてくる腕も微かに震えていて。
「ああ、ずっと支えてやる。お前の傍にいる」



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