仕事終わりに丈さんと飲みに行く約束をしているという話を上司である有馬さんに話したら、何故か有馬さんと篠原さんと丸手さんも加わり、5人で飲むことになった。本当は丈さんにいろいろ不安に思っている事を相談しようと思っていたのだけど、予定変更。篠原さんの昔話か丸手さんの愚痴を聞くことになりそうだ。有馬さんは黙々とお酒を飲んでいそうだけど、目を外すといつの間にか寝ていて起こすのに一苦労だから注意しておこう。そんなことを考えながら仕事を片付け、5人が集合するのを待って、よく行く店へ行こうと外へ出たところだった。
「「あ。」」
驚いた表情をして声を出したのは有馬さん・・・と見知らぬ女の子。珍しく有馬さんはいつもの無表情を崩して目をパチクリしている。女の子の方はどうやら学校の帰りらしく、この辺りで頭の良いと評判の高校の制服を着て立っている。大人しそうだけど、まだ幼さの残る可愛らしい顔をしていて、成人すればとても美人になりそう。そんな第一印象をいだかせる女の子。有馬さんとどういった関係なのだろうか。
「なあ篠原、ありゃ誰だ?」
「俺も知らないな。宇井、平子知っているか?」
「私も見たことないです」
「・・・俺も知らないです」
特等方も長年パートナーである平子さんも知らないらしい。皆が困惑している中、驚き固まっていた有馬さんがやっと口を開いた。
「なまえ、なんでこんな遅くにここにいるの。夜は危ないって言ったよね」
有馬さんが少し怒ったように言った。なまえ?聞いたことがない。心配している口調からするに親しい人間なのか。まさか恋人・・・いや、未成年に手を出したら犯罪だろう。でも16歳以上であれば結婚できるからあり得ないわけではない。え、じゃあ嫁? んなわけあるか。
私が考えている間に有馬さんは女の子の方へ行って2人で話し始めた。少し距離があるので、ここからでは2人の会話は聞こえないが、女の子がペコペコ頭を下げているのを見るとどうやら謝っているようである。確かにもう日が暮れて暗くなった今頃に出歩くのは危険だから怒るのも分かる。しかしこんなにも不機嫌を露わにした有馬さんの声を聞いたことはあったか。いや、ない。
「なまえ」
話が終わったのか、2人は此方に歩み寄ってきた。有馬さんが名前を呼ぶと彼女はニコッと微笑んだ。
「初めまして有馬貴将の妹のなまえです。いつも兄がお世話になっています」
衝撃の事実ってやつですか。
「・・・・は?」
「へぇ〜!妹さん!」
「え?!有馬さん妹がいたんですか!?」
「・・・」
* * *
いろいろ考えたのですが、上手く文章に出来なかった為断念。シリーズとしてちょこちょこ出せたらいいなぁ、くらいに思ってます