会えるのなら | ナノ
01


「ネビル、ネビル起きて」


そんな優しく揺さぶるような起こし方では寝坊助は起きれるはずがない。でもそれは急に起こされたら心臓に悪いだろうという起こす側である彼女なりの気遣いなのだ。
起こされている側のネビルにしてみればその後が辛いのだが。


「いくよ〜」


おりゃっと寝ているネビルの脇に手を入れくすぐる。ひゃっといい反応。


「お姉ちゃん、びっくりするからやめてよ…」

「あら。ちゃんと声かけたのに起きなかったネビルが悪いのよ」


そう言って眠そうに目を擦りながら起きたのがネビル・ロングボトム。
自分で起きれたらこんなことはしないわよ、と起きないネビルにコチョコチョ攻撃を仕掛けたのは姉のネージュだ。


「まだネビルは起きないのかね。もう昼食だよ」

「起きたよ。今行きます」


2人は祖母の家で暮らしている。
厳しい祖母で、少しドジっ子なネビルは怒られることも多いためニガテであるようだが、成績が良いときにはちゃんと褒めてくれる祖母がネージュは好きだ。
やっぱり怒られるのは怖いけど。

リビングに行けば祖母がご飯を机に並べて待っていた。祖母の早くしろと言わんばかりの鋭い視線を感じネビルもネージュも席につく。

手を合わせ、いただきます___東洋の言葉で感謝を表す言葉らしい__を言ってから食べる。
家族揃ってご飯を食べることは昔からのルールであるが、祖母の威厳ある雰囲気により毎日無言である。
しかし今日は違った。


「ネビル、ホグワーツから手紙だよ」

「え…」

「おめでとうネビル!やっとお姉ちゃんと一緒にホグワーツで過ごせるね!私楽しみだったんだよ〜」


驚きで固まってる弟とは正反対に自分のことのように喜ぶ姉。
3つも歳が離れている2人はホグワーツの休暇中しか会えないため、ネージュは寂しさを感じていたのだ。


「でも、僕魔法使えるかな…」

「大丈夫だって。ネビルはちゃんと魔法使いだよ。もし魔法や勉強ができなかったり悩み事があるならお姉ちゃんのところにおいで。教えてあげる!」


だから心配しないで、と姉に言われ、うん!と返すネビル。昔から姉に励まされると不思議と元気が湧いてくるのだ。
その笑顔を見たネージュは ネビルは笑顔の方が素敵よ!と頭を撫でる。


「ネビル、お前はなにかやらかすことが多いんだ。だからなにかあったらネージュを頼りなさい」


厳しい祖母の言葉だが、その言葉が心配からくるものであることを、怒られるのでは…と怯えるネビルは分かっていない。
一方、そんな祖母の気持ちを汲んでかネージュは任せておばあちゃん!と親指を立てながら答えた。


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