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「あのクィディッチ・カップに、今年こそは僕たちの寮の名前が入るぞ。君はチャーリーやネージュより上手くなるかもしれないな。チャーリーだってドラゴンを追っかける仕事を始めなかったら、今頃イギリスのナショナル・チームでプレーしてただろう。それにネージュだってなぜ4年生で辞めたいと言ったのか…」
ハリーは初めてのクィディッチ練習のあと、城へ帰っている途中だった。
ウッドがクィディッチを知らないハリーのために色々な話をしてくれていた。
クィディッチは素晴らしく面白いスポーツだということ、過去に起きたクィディッチの試合のこと……その中でハリーは気になったところがあった。
ネージュ?4年生で辞めた?チャーリーはロンが自慢げに、僕の兄だ、と言っていたため知っているがネージュという名前は聞いた覚えがなかったし、選手になることはとても光栄なことのようにロンが語っていたから自分から辞めるということに少し驚いた。
「ウッド、ネージュって誰?」
「ああ、知らないのか。去年までチェイサーだったやつだよ。得点王とまで言われるくらい彼女の箒に乗る技術は素晴らしかったんだ。だからチャーリーが卒業した今年からシーカーをやってもらうつもりだったんだが…なぜか4年生の今年、辞めたいと言ってきてね、困ってたんだ。そこに君が現れた。助かったよ。むしろ首の皮が繋がったどころか優勝が見えてきた。今はチェイサーもビーターもみんな優秀だ。負ける要素はない。だから今年こそは絶対に優勝するぞ。そのためには……」
ハリーが質問したことによってウッドに熱が入ってしまったらしい。いつまで聞かなくてはならないのだろう…と思っていると、やっと城についたところで解放された。
もう夕食の時間だったので大広間のグリフィンドールの机に座るとロンの兄のフレッドとジョージが両脇に座った。
「どうだハリー。初練習は」
「素晴らしかったんだろうぜ。ウッドのやつ更に熱くなってたぞ。このままじゃ俺たち、練習でウッドにしごかれて死ぬ運命になりそうだぞ」
わーお、それは大変だ!と、おちゃらける2人にハリーはさっきから気になっていたことを聞いてみた。
「ねぇねぇ、ネージュって人は誰なの?」
「ウッドに聞いたのかい? ネージュはすごいよ。箒に乗る技術はチャーリー並みだし、去年は学年トップだったから魔法の腕も頭もいい」
「そんなパーフェクトガールな彼女の1番の魅力は笑顔!いつでも俺たちの悪戯を笑って見てくれるのさ! しかも悪戯道具の開発にいき詰まったときにアドバイスをくれるんだ! あ、そういえば弟が今年入学したとか言ってたよなあ…」
「ああ、ネビルとか言ってたな。少しドジだって聞いたけど。ハリー知ってるかい?」
驚いたことにネビルのお姉さんだったらしい。ネビルにお姉さんがいるってことでも驚きなのに、話を聞けばすごく優秀みたいだ。ネビルは確かにドジをしてよく医務室に行ってるよ、と双子に答えてからハリーは夕食を食べだした。