「いーすけー」

「うん?...って、颯丸!!泥だらけじゃないかしかも服破れてる!!」

「あーうん、さっき団蔵と虎若とプロレスごっこやってた」

「あいつら...じゃなくて!やるのはいいけどそんなになるまでやらないの、颯丸だって女の子なんだから!」

「...そっか、俺女の子か」

「颯丸!?」

「あっはは、だって女らしい事とか全然してないし」

「もう...!」

「ただいま...あれ颯丸、またプロレスごっこやってたの?」

「おうおかえり庄ちゃん!そう、虎若には負けたけど、団蔵には勝った!」

「おお、初白星じゃない。よかったね」

「うん」

「庄左ヱ門!よかったねじゃなくて何か言ってよ!」

「いいじゃないかプロレスごっこくらい、ねえ颯丸?」

「いいじゃないかって、何かあってからじゃ遅いんだよ!?」

「自分で管理できるでしょ赤ちゃんじゃないんだし」

「そうじゃなくて...!」

「伊助に迷惑はかけてないじゃないかー」

「確かに迷惑はかけられてないけど!心配なの!」

「ふぇ〜い」

「ふぇ〜いじゃない!」

「まあまあ伊助、それくらいにしときなよ」

「そーだそーだクリームソーダ」

「誰のせいだと思ってんのさ!!」

「ごめんごめん」

「まったく...とりあえず颯丸、脱いで」

「きゃー伊助のえっち」

「庄左ヱ門!!...ほら、縫うから上着貸して」

「わーいありがとう伊助ちゃん」


「「.........」」

「完璧母ちゃんと父ちゃんと子供だよな、アレ」

「俺たち近所の悪ガキ?」

「っていうか団蔵、さっき負けたのって手加減してた?」

「してない、本当に負けた」

「...さっすが颯丸、馬鹿力ぁ」


「...で、ちなみに伊助、そこにいる近所の悪ガキに制裁は無し?」

「うげっ!」

「しょーちゃん、気づいてたのね...」

「話し声丸聞こえ」

「あはは...」

「そうだね...団蔵、虎若、僕ともプロレスごっこしようか」

「か、母ちゃ...伊助と!?」

「負けたら一週間プロレスごっこ禁止」

「ええ!?」

「さあ始めようか、ラウンド1」

「えっ、い、キャアアアアアア」

「団蔵ぉぉぉ!!」


「...颯丸」

「ん?」

「食堂でお茶でも飲もうか」

「飲む」


「ほら!颯丸に勝ったんでしょ僕にも勝ってみせてよ!」

「待っギブギブギブぅぅぅ!!!」










- ナノ -