君がほしい | ナノ
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「やっぱりお二人は仲良いですよ」

「えー……」

「いいじゃないですか、羨ましいです!」

「苗字さんはいないの?仲良い子とか」

「私は上京してきたので仲の良い友達はみんな地元なんです。会社の子達もそれなりに付き合いはしてますけど、まあ、いろいろありますよね」



前は仙道くん関連で女の子にバレないようにヒヤヒヤしっぱなしだったし。
最近では牧部長と仲が良過ぎるんじゃないかって疑われてるくらいだし。
二人とも何もないとは言わないけど、やっぱり女の子同士の間で”何にもない”なんてほうが無理な話だ。

良くも悪くも、うちの会社にはかっこいい社員や選手で溢れかえってるからしょうがないといえばしょうがないんだけどね。



「もしかして男関係も絡んでる?」

「え?」

「女の嫉妬とか僻みってすごそうだからさ。特に苗字さんは男受けするタイプだからそれをよく思わない女子にいびられたりされそうだなーって」

「い、いび……!?」

「あくまで俺の予想ね。更に予想するとー……」



いびられてそうって……!
私ってそんなイメージなの……?
そこまで会社の人たちとの関係悪くないはずなんだけど、初対面の沢北さんにこんな風に見られてるって……

しかもあろうことか、



「牧さん。あとは流川もだな。アイツは高校の時から女にモテてたし。それから、仙道もあり得る」

「……え!?」

「なに、まじで仙道?」

「い、い、いやいや、そ、そうじゃなくて!!!」



何で仙道くんだけ選び取って二回言うかな……!!!
このタイミングで……!!!



「そ、そもそもいびられてませんから!」

「へぇ?」

「ほ、本当ですよ!」

「疑ってないよ?」

「っていうか沢北さん、キャラ変わってません……?」



さっきまで敬語だったのにいつの間にかタメ語に変わってるし!
ニコニコしてた表情が妖しげに変わってるんですけど?

まさにヘビ。
ヘビに見えてきた。

そういえばヘビみたいにジワジワきてガブリといくとかなんとか、インタビューで言っていたような……言っていなかったような……
と、とにかくなんでもいいけど、怖い……!




そしてあろうことか、このタイミングで牧部長の携帯が鳴り始めてしまった―― prev / next

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