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「#幼馴染」のBL小説を読む
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私とカゲのどたばた日記。
「みっけた!!!」

こちら一ノ瀬。目標確認!!
フライングでお目当ての人物に、気づいて!!と感情を飛ばしてみるが、相変わらず気づいているくせにガン無視。ロビーのソファで携帯をぽちぽちする姿にイラっ。もう、しょうがないな〜〜カゲは!!


ソファの背からのぞく首元にスルリと腕を回し、ソファ越しに抱きつく。「あ"?」とドスを効かせた声が聞こえたが、残念。トロいね!私の方が早いぜ!!と眉間にシワを寄せ振り向いたカゲにドヤ顔を送ると、拳骨を食らった。アッ、それは痛い。


「ねね、カゲ!見て見て!!」

カゲの前に回り込み、じゃーん!!と腕を組みポージング。チラリと反応を伺うがあまりにも無反応。うそでしょカゲ。そこはすかさず「似合っているよ。かわいいね。」でしょーが!!ちょっと、携帯に目を戻すな!!


「なんだそりゃ。」

「なんだって、スーツだよ!大学の入学式用のやつ!!」

「まさかその格好でここまで来たのかよ。ハッ。くだらねー。オラ、解散。」

「なんたる屈辱…。」


わざわざ朝からスーツを着用し、不規則な足音を鳴らしながらパンプスに踊らされてまでここに来た私になんたる仕打ち…。だがここで諦める私ではありません。その発言、訂正させてやるぜ!!


「トリガー、起動!!」

「てめー、何して…。」


今日この日のためだけに入れておいたトリガーを起動する。もちろん服はそのままの設定だ。あ、ちょっと待って??これ、トリガーの設定をスーツにし……いや、考えないことにした。私の努力が報われなさすぎる。

スッ…と両手をポケットインし、「あ"ー、あ、あ"ぁー、んん、ゴホン。」…準備は万端だ。


「アステロイド(低音)」

「ぶっ、は!!!てめ、…っハハッ、まさか、そのためだけに、…っ、ハ、ホントくっだらねーな、二宮そっくりじゃねーか。」


思いのほかウケたので、私もにっこり。くだらない発言は水に流してあげましょう。いや、ほんと、最初はスーツなんて、堅苦しいなーとか、動きにくいなーとか、そんなことしか考えてなかったけど、鏡を見た瞬間、今この時のことが鮮明に浮かんだよね。いやースーツ楽しい!!

カゲのテンションを少しだけ上げることに成功したので、そのまま茶番を続ける。

「おい、影浦。お前はスーツを着ないのか。(低音)俺に見せてみろ。(低音)」

「犬飼了解〜!!」

「ぎゃあぁああ!!!」


「俺の隊長こんなかわいかったっけ〜」とふざけたことをぬかし、後ろからぎゅっ!と抱きついてきたこの男、犬飼すみはるぅ…。私の苦手なパリピをぎゅっ…と詰め込んだパリピの中のパリピである。うっ…パリピを目の前にすると目眩が…。


「俺のスーツ姿はどう??かっこいい??」

「てめーはいつもその格好だろーが。さっさと一ノ瀬から離れろ。」

「え〜、カゲに指図される覚えはないな〜。ね、ゆきちゃん、どう??」

「え、えー。スッゴク…ニアッテルヨ?こ、こう、夜の?ネオン街が?とてもよくお似合いというか〜〜…ドンペリ!!そうドンペリが似合うよあいたたたたたく、首!!!首しまってる絶対キマってるやつ!!!」


バンバンバンと胴体から首に移動した腕を叩きギブアップ宣言をするも「アハハ」と笑って流された。人権カムバック…。

「残念ながら夜のお仕事はやってませーん。正解は町の平和を守るボーダー隊員でーす。」

「わぁ…あ、はい……うっ、嘘つくなとか思ってない…ひぃ笑ってないこの男!!…あっちょ、カゲ、カゲ!!」


「知らねぇ。」

「あらら、ゆきちゃん味方いなくなっちゃったね〜。どうするの?」

「うそ………。」

今日一番の絶望を味わっていると、満足したのかパッと離してくれた犬飼。慌ててカゲの後ろを陣取り警戒モード。


「ほんっと、かわいいよね〜。カゲなんてやめて俺にしない?」

「し ま せ ん !!!大体、手に入れたら入れたで、どうせすぐポイする気でしょ!!」

「あららバレてたのー?そーゆーところも好きだな〜。」

「て、適当言ったのに…ウソでしょ…。なんて悪魔だ、ぎゃ、こっち来た!!カゲ、援護、援護!!!」

「あ"ーーうぜぇ!!てめーら他所でやれ!!」

「うん、さすがにウソだよ。俺そこまでひどくないよ〜?」

「こ、ここまで信頼性にかける言葉があるのか……うぎゃ!?」


「…!?…オイ、」




「…ゆきちゃん、ダイターン。」

「え、えへへへ…ナイスキャッチ…ま、まさとく〜ん…。」

「…ぶっ飛ばす。」



転んだ弾みでカゲにだいしゅきホールドをかました私をべりっと剥がし、ブースに放り投げるカゲを見て軽く白目を向いたよねって話。









カゲ好きだ…って言っておきながらカゲの小説をまだ1個も載せられていないのが悔やまれる…。誕生日も書き逃したし、完全に書くタイミング失いました。いつか絶対書きたい!!本編書いている間に小休止でチマチマ書いてたやつです。拍手のお礼小説にしようか悩んでやめました。