残念美少女と遊真くん
「ゆきちゃんさ、モテるでしょ?」
「そ、んなことないですよ。」
「えー、そうなの?おっかしーなぁ。好きな人、いるとか?」
ガッタン!!!!!
「いっ、いま、せん!!」
「……ひゃ〜、可哀想なくらいわかりやす〜…ねね、誰?その相手。おれがアドバイスしてあげるからさ。」
「い、いらないです!!……絶対に、無理、なので。付き合いたいとかも、ないです。」
「いやいやいや、絶対無理って……さすがに自信なさすぎでしょ。鏡見な?ゆきちゃんかわいいから大丈夫でしょ。優しくて素直で。こんな良い子中々いないよ〜?」
「せ、先輩は私に甘すぎます。……それに、見た目とか、性格とか、万が一に良いとしてもそんなの彼の前じゃなんの意味もないんです…。」
「急に深いこと言うね〜…こりゃ相当拗らせてんな。……ま、でも、それはちょっと違うよ。」
「…???」
「男ってのは、意外と単純ってこと。」
「ユキちゃん」
「ゆ、うまくん。こんにちは。」
「こんにちは。」
(はぁ……今日も遊真くんかっこいい。好き、髪の毛ふわふわ、おめめくりくりでかわいい。けど少し上がった口もとは凛としてて、大きな瞳の中の瞳孔は鋭くて、身長は低いのに力強くて、男らしくさっぱりしたとこがあって、口下手なわたしにもスマートに手助けしてくれる、優しい遊真くん。………す、好きだよぉぉぉ………)
「ゆきちゃ〜ん」
「すっ、澄晴先輩!?」
「……犬飼先輩だ。こんにちは。」
(まずいまずい、勘繰られてる??遊真くんが好きだってバレた?いやいや、まだなにもしてな……め っ ち ゃ み て る ! ! !)
「空閑くんさぁ、ゆきちゃんと仲良いの?」
「…まぁね。友達だよ。ユキちゃんは。」
(と も だ ち !?!?!?
うれしいうれしいうれしい!!!遊真くんが私のこと友達だって、すき!!!)
「………友達で満足しちゃダメでしょーゆきちゃん〜…」
「???澄晴先輩、なにか言いましたか?」
「いーや?べっつにー?」
「じゃあさ、ゆきちゃんのこと、どう思う?」
「へ!?!?!?」
「……それを犬飼先輩に言う意味はあるのか?」
「んー?ないよー?けど、ゆきちゃんが気になってるみたいだからさ」
「すっっ、すみはるせんぱいいい加減に……」
「ま、いいけど。」
「へっ」
「おっ」
「かわいいよな。」
「……!?!?」
「見た目もだけど、どっちかっていうと中身が。ふわふわしてて穏やかで控えめだけど、こっちの話楽しそうに聞いてくれるし、表情豊かだよな。ユキちゃんがニコニコしてるとかわいいなって思うよ。」
「ウッ」
「あっ、でも……少し距離を詰めただけで頬を赤くするのは心配だな。…悪い男に、狙われるぞ?」
「アッ」
「ま、ウブなとこもかわいいけど。正直獲物追いつめてるみたいでゾクゾクする」
「ヒィ」
「まっ、そういうわけで、おれはユキちゃんがかなり好きだ。……これで満足か?ユキちゃん?」
「」
「絶対無理とは?????」
遊真くんに無自覚に口説かせるのが性癖です。なんてことない顔で相手を羞恥に追い込んで…好きだ…
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