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幸せってこんな色



黒子のバスケ、赤司


空を見上げればそこには既に夕焼け空が広がっている
彼の部活が終わるまで、暫く教室で待っていたが完全下校の時間となり校舎内に残っていられなくなった私は自転車置き場で待つことにした

こうして夕焼け空を見る度彼を想像してしまう
彼の方がもっと綺麗で赤いのだけど

そんなことを考えていると、後ろから肩を叩かれた
振り向けばそこには大好きな彼の姿があって。


「すまないね。寒かっただろう。遅くなって悪かった」
「大丈夫。待つことくらい平気だよ」


そう伝えれば、よかった、とふわりと笑んで私の髪を撫でた
赤と金のオッドアイを伏し目がちにしてこちらを見る彼の名を「赤司征十郎」という
周りからは怖いと恐れられているけどよく分からない

うーん……と考え込んでいれば、何を考えてるんだい?と私の前に屈む赤司くん

「なんでもないよ」
「そうなのか?…まぁ、気にかけなくても良さそうだけど」

ふわりと笑って、行こうと手をさしのべる赤司くん
その手をとり、私たちは歩き始めた











「放課後デートなんて久しぶりだね」
「すまないね。なかなか予定が合わなくて」
「ううん、気にしないで」

彼はバスケ部の主将をしている
それ故に毎日が忙しそう
特に大会が近づけば、何時もと雰囲気の違う赤司くんになる
それでも私にとっての赤司くんは、紳士で優しい

こんな素敵な彼の彼女として、私がたっていて良いのか時々…いや、ほぼ毎日感じる

「なまえだから僕は君を選んだんだよ。変にかんがえることはない」
「……え…?」
「全部漏れていたよ」

やってしまった……
迷惑かと思ってずっと言ってなかったのに、私としたことが……

「僕には君しかいないんだよ。それじゃ満足しないかい……?」
「うぅん……満足。赤司くんの隣にいれるだけで十分だもの」

繋いだ手の指を絡めながら笑ってそう答える
その瞬間、目の前が赤色に染まった

−−キスされたのだと気づいたのはそれからまもなくのこと

「あ……かしく……」
「名前」
「…え?」
「そろそろ名前で呼んでくれないかい?」
「せ…い……」
「征十郎。長いから征でも構わない」


私は小さな声で『征』と呟いたが本人には聞こえてなかったようで、名前で呼ぶよう催促される

「せ…征っ……!!」
「…うん。良い子だね」

今度は聞こえたようで、私が名を呼べば嬉しそうにふわりと笑う征
頭に手をのせて髪の毛を撫でてくれる

「……"なまえ、好きだよ」
「……っ!!」

不意打ちの台詞に顔がどんどん紅潮していく

「…なまえは、僕のこと、どう思ってる?」

そんなの、答えは1つしかない




「…大好き…」




少し薄暗くなった夕暮れの空のした
私の目の前に、また鮮やかな赤色が飛び込んできた



−−幸せってこんな色

私の幸せの色は_______貴方







お題提供:夢見月*様
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「夢現部屋。」さえか様から頂きました。
相手を選んでいいとの事でしたので、遠慮なく赤司を。
素敵な贈り物をありがとうございました。