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例え叶わなくても。



黒子のバスケ、黒子


初めて貴女と出会った場所で
初めて貴女と会話を交わした場所で
貴女から告げられたのは…
切なくも嬉しい言葉でした










初めて出会ったのは高校に入ってから暫くたった頃
部活も慌ただしく練習をするようになってきた頃だっただろうか
図書委員をつとめる僕は、その日遅刻届けを出して図書館で黙々と作業をしていた
本を返却する人ためにカウンターへ来た人に声をかけ驚かれるという何時ものパターンを繰り返し、いつの間にか閉館時間になろうとしていた

その時慌ただしく廊下を走る音が図書館に少し響いてきた
ガラッ…と図書館の扉が開き、息を切らした女生徒が本を抱えて此方に向かってきた

「ギリギリセーフですよね!?返しても大丈夫ですか??」

ちゃんと僕の目を見て彼女はそう言った

僕は開いた口が塞がらないという状況に陥った

僕を一瞬で視覚に入れたのだから

「えっと…だめかな」
「え、あ、違います、大丈夫ですよ」

ならよかったー!と笑顔で抱えていた本をカウンターに乗せ、近くの本棚を眺める彼女

そういえば、何処かで見たことがある
同じ一年生だった気がする…

そう思いつつ、返却された本のバーコードを読み取る作業を行った

「ぁ…ねぇねぇ、確か君黒子テツヤくんだよね??」

不意に呟いた彼女
彼女は僕のことを知っていた

「はい。….貴女は…」
「みょうじなまえだよ!隣のクラス」

隣のクラスの子だから見かけたことごあったんだ、とこの時思った

それから間もなく僕たちは本に関する話をするようになり、いつしか僕の方は彼女にどんどん興味がわいてきた

好きな本についてはたくさん語ったし、オススメの本についても語ってきた

なにより、その話の中から推測できる彼女の気質…

大人しそうに見えるが朗らかでかなり元気で、、、


『好きなんだ』と気付いたときには、既に気持ちがどんどん膨らんで________















だから、みょうじさんに好きな人がいるときいたときのショックは半端じゃなかった


それを知ったのも出会った図書館


相手が相手なものだから余計にショックは大きかった

だけど、彼女が生き生きと彼のことを話すもんだからそれを見ている僕は自然に笑顔になれた…












例え叶わなくても。
貴女が幸せならばそれでいいです


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「夢現部屋。」のさえか様より、202hitのキリリクで頂きました。
リクエストは黒子で切ないお話。
素敵な作品をありがとうございました。