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お気に召すまま



庄吾
お題「お気に召すまま」


幼い頃から親父の見よう見真似で幼馴染みの髪を結ってきた。
大奥に上がった今でもなまえの髪を結う役目は俺のものだと思っている。
友達ではない。
恋人でもない。
幼馴染みという特別な立ち位置だからこその特権。
結った後の顔が見たくて今日も髪に触れる。
全てなまえのお気に召すままに。