「エアリス、ザックス。お帰りなさい。元気だった?」
友人が通っていた教会へと足を運んでは、亡き友と過ごした日々を追憶する。
夏のたった数日の間。 先祖や亡くなった人の霊を祀る行事。
13日、遺族は迎え火を焚いたそうだ。 やはり帰るのは実家だろうが、わたしはスラムの教会に来れば彼らに再会できるような気がした。
「君たちのことだから良くやってるんだろうね。……わたし達も大丈夫だよ。クラウドもティファも……苦労してるけど、みんな元気にやってる」
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「マリンがまた料理の腕を上げたの。きっとティファの教え方がいいんだね。それで……」
思い出を語った。最近の出来事も。 気持ちを隠すためにも、君たちのためにも……もっと記憶を語ろうとしたけど、無理だった。
亡き友の足跡を見つけては。 大切な人が姿ない形で帰ってくると思っては。
ぎゅっと胸を締め付けられるような悲しさばかりが支配して、どうしても。 ……どうしても、泣きたくなってしまう。
「だけど、ねえ、ザックス、エアリス。君たちに会いたいよ。君たちの声が聞きたいよ……!」
大粒の涙をこぼして泣いた。それはもう、小さな子どもみたいに。
そんなわたしを包み込んだのは暖かくて優しい風。 そして大切な人の声が聞こえた気がした。
(はは、子どもみてえ。……ああ、クラウドも子どもみたいだったなあ) (……ふふ。ティファも大変、だね)
((……ただいま))
静かな。 そして穏やかな時間。
その中で、友が生きていた証である花は確かに、控えめながらも美しい花を咲かせていた。
2011/08/15 01:38
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